第二章 話を聞かない人たち
第12話 お決まりの賑やかさ
「今日は
と言って、親友が訪ねてきた。
こころよく招き入れ、集合住宅のドアが閉まる。君たちは部屋へと移動した。
「五尺公園にでも行く?」
「家がいちばんじゃなかったのか?」
「いや。なんか嫌な予感がしてさ」
ピンポーン。
すぐに、来客を知らせる音が鳴った。ユウの口が開く。
「こころよくじゃないってことは、やっぱり」
どこにいても上から聞こえる『声』のことは、スズとの秘密。君は、慌てて口を閉じる。
ダイマにうながされ、君は二人で玄関へと向かった。
「遊びに来たよ!」
ネオンがやってきた。最近転校してきた、同じクラスの女子だ。
馴れ馴れしい。とくに仲よくなるような出来事はなかったはずなのに。
「いま、ダイマと遊んでるから」
「じゃぁ、一緒に遊ぼ」
「あー。どうする?」
うーん。
君はうなった。
「わかった」
だが、招き入れることはできない。その前に、隣に住むスズがやってきたからだ。
「ユウが困ってるじゃない」
腰に手を当て、揺れていた長い髪が止まった。
無言で
「それで、なんでこうなるんだ」
誰にともなく、君は言った。
結局、部屋には四人が集まり、とりとめのない話をしている。
「ヒデオは人見知りだから呼べないぞ」
「へぇ。ダイマとは似てないんだね」
「兄弟がいるのは、ちょっとうらやましいかも」
ユウの周りは、今日もにぎやかだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます