第8話 構造は改革したのだろうか?
昨晩は宿屋から帰った後、結局晩ご飯をレリアさんとリリアと一緒に食べただけで特に作業もせずに風呂に入って寝てしまった。
もう一組の布団作りも進んでいないがレリアさんは大丈夫だろうか?
朝ご飯を一緒に食べたときに聞いてみたが今までの毛布を纏って直に床に寝ていたのに比べれば天と地の差があるのでリリアと一緒なだけならば何の問題もないとのことだったが、なるべく早く時間を作って作業を進めようと思う。
今日は朝から草刈りの護衛なので朝ご飯を食べた後、"南中"の集会場まで歩いて行く。さすがに今日はレリアさんが一日仕事になるのだがその間リリアを一人で留守番させる訳にも行かないので途中ラリーの家に寄ってリリアをラリーの奥さんのミーシャさんに預けていく。
ついでにリリアのお守りとして俺の従魔であるスライムのスーさんを付けてあげた。スーさんはこう見えてスライムの変異種なのだが、普段は昭和の肉まんくらいの大きさなのであまり強そうには見えない。ただ、その気になれば50mプール一杯分位には大きくなれる。
種族的にはイリーガル・エンジェル・スライムで【光属性】で回復が得意なエンジェル・スライムなのに進化の過程で覚えた【闇属性】の魔法やスキルが使えるようになってしまったためにイリーガル種になっている。【物理半減】【魔法半減】の特性持ちで戦闘時は優秀な鎧代わりに体を包んでくれるし野宿の時にはスライムベットとして優しく包んでくれるとっても有能なナイスガイなのだ。性別無いけど。
それにスーさんとは【テイム】のスキルで魔力パスが繋がっているので距離が離れていても何かあれば【念話】でお互いの状況を伝えることが出来るので家で留守番しているペットをネット経由で観察するようにリリアの様子を知ることも出来てとっても安心である。
リリアも愛くるしいボディのスーさんはとっても可愛がっていてスーさんと一緒だったら一日お留守番でも何とか我慢できると言っていた。
途中、マーサさんの宿屋でエミリアとナギル君を拾って集会場に行くとギルズが一人で待っていた。ギルズの話によると草刈り要員は"西南"の広場で集合しているのでこのまま移動してほしいとのこと。
ギルズの案内に従ってみんなでぞろぞろと"西南"の広場まで行くと今日の作業をするために集められた労働者だろうか。農奴っぽい成人男女が6人ほどとローグがたむろしていた。ローグ達、"西南"の連中と合流するとギルズはドルトムントを呼びにいくと一人離れていった。残った俺たちはローグに先導され外町と外の原野との境目にある柵に向かっていく。街の周囲の城壁と比べると大分防御力が落ちる柵だがそれでもここいらに生息している魔獣一匹であれば防げる程度の強度はある。そしてその切れ目、町と外とは街道の西門だけの筈なのだがどうやら勝手に裏門を作ったようだ。全く勝手なことをして此処を外の魔獣達に突破されたらどうするつもりなんだ。
「おい、まさかとは思うが勝手に門を作ったのか?」
おうおう、ラリーは真面目だなー。ちゃんと代表の仕事をしているよ。
俺?自分の周りが守れればそれでいいよ。
「仕方がないだろ。いちいち西門回っていたら日が暮れちまうだろが。」
「魔獣の侵入を許したらどうするつもりなんだ?」
「流石にそこは気を付けているって。」
扉を付けた所には割としっかりした屋根が付いた四阿になっていて支える柱も太くしっかりしていそうだ。扉も二重になっていてエアロックの様に片方ずつ開け閉めすることで一気に通り抜けできない構造に成っていた。確か多摩動物公園のライオン園を周回するライオンバスの乗り場が同じ様な構造をしていた記憶がある。
普段から使い慣れているのかローグと農奴が四人内扉の中に入り先ずは内扉を閉める。扉と扉の間は狭く五人入ると結構ぎゅうぎゅうな感じだ。内扉を閉めたら村側から門番役が内扉に閂を掛ける。外の扉も閂が掛かっておりこれを外さないと開かないようになっておりしかも扉の間からは閂を動かせない構造になっている。この閂も同じ門番がはずす必要がありこの手順ならヒューマンエラーで両方の扉を一度に開ける事は回避できそうだ。ただ、外を確認することなく無造作に外扉を開けそうになっているのは余りよろしくない。この辺りは日々使っている事の慣れから来たものだろう。
「待て。扉を開けるな。」
念のため【探査】で確認したら外扉の直ぐ脇にゴブリンが四匹張り付いているのが判ったのだが、門番も扉の中の人達も胡乱げに此方を見ている。
「なんだ。こうやって一度に扉を開けないようにしているのが分からないのか?この仕組みなら外から魔獣が入ってくることはないぞ。」
ローグが相変わらず此方を見下すような高圧的な態度で言ってくるので
「あぁ、確かにこの構造なら扉の外にゴブリンが張り付いているのだがそのまま開けても此処までは入って来れないな。」
と皮肉を込めて返しておいた。
「ええー、ゴッゴッゴ…ゴブリンが扉の外にいるの?ちょっとやだ、早く中の扉を開けなさいよ。」
ローグも焦った顔をしていたがそれ以上に作業員達がパニックになっている。門番も焦って内側の閂に手を掛けようとしたので
「待て。外の閂を閉め直すのが先だ。」
と怒鳴り付けておく。さっきは中途半端なところで声をかけたので外の閂も中途半端な位置までずらされたままだ。
「グッゴーグッゴー」
『ドガンドガン』
「イヤーイヤー」
内側で騒いだせいか外からゴブリンが扉を叩いているので門と門の間に居る村人達はもう半狂乱だ。
「ストーンバレット」
仕方がないので分かりやすくわざわざ詠唱して魔法を放つと外から着弾した振動が伝わってきた後、ゴブリン達がおとなしくなった。
「もういいぞ。」
そう言って外の脅威が無くなったことを伝えたのだが、さっきまでパニック状態だった農奴っぽい作業員達がいやいやして外に出るのを拒否している。ローグもこちらを信用しきれないようで仕方がないので外門の閂を閉め内門を一旦開けて全員を柵の内側に戻す。
戻ってきたローグが四阿の上にある監視台から外側を見て門の外のゴブリンたちが全滅している事を確認している。
「おい、もう門の外にはゴブリンは居ないから大丈夫だ。俺がここで見張っているからお前達外に出ろ。」
ローグが偉そうに自分に都合がいい命令をしているのだが作業要員の農奴たちは怖がって内門の中に入ろうとしない。見た感じから勝手に農奴と思っていたいのだが、彼らはどうやら奴隷ではないようでローグが命令しても拒否できるようだ。
「ちっ、これだから派遣作業員は使えねえんだよ。なんで奴隷じゃねえんだ。奴隷だったら命令に逆らえないから楽なのに。」
なんだ”派遣作業員”って。派遣社員の親戚か?こっちの世界じゃ日雇い仕事はギルドが斡旋するし普通に奴隷制度があるから派遣社員なんて聞いたことないんだけど。ただ、彼らは一般的な農奴と比べてても痩せ気味でくたびれている感じがする。この国の奴隷は一応奴隷法があって最低限の生活を奴隷の主人が保証しないといけないのもありよっぽどのことがない限り労働力として最低限衣食住は確保されているのが一般的だ。もっとも生活が余りに酷いと農作業のような力仕事を続けられなくて奴隷を使いつぶすことになって損だという理由もあるのだが。
このままでは作業が始められないのでローグとラリーと俺の三人で外の確認をし安全であるとアピールしたらようやく全員出てきた。もちろんローグは見張りを主張したが無理やり連れだした。一歩間違えば自分がゴブリンに襲われるところだったのでだいぶビビッていたが
「へいへいローグ、ビビッてる。」
「ああん、俺様がゴブリンぐらいでビビるわけないだろう。」
そういって一緒に先陣を切ることに同意した。ローグ案外とちょろいな。ただ、派遣作業員の方々は出てきたはいいがまだ怖いらしく不安げに周りをきょろきょろ見回すだけで草刈り作業に取り掛かる様子は見られない。
「【探知】の魔法を使っているから隠れていても分かるし さっきみたいに見えなくても倒せるから安心して作業してくれ。」
言葉で説明しても今一つ信用できなかっただろうが実際にやって見せたので彼らも理解できたようでようやく草刈りの作業を開始してくれた。さっき扉の間で半狂乱になっていた女の子がキラキラした熱い眼差しを此方に向けていたことには気付かないふりをしておいた。だってその後ろからローグがすごい顔で睨んでるから厄介事の予感しかしなかったし。
草刈りは柵を背にして六人が三人ずつ左右に別れて進んでいくので 護衛は探知ができる俺とレリアさんが左右にそれぞれ着いてラリーとローグ、ナギルの前衛組は真ん中に展開して左右どちらでもカバーできるようにしている。エミリアはレリアさんに着いて指導を受けているようだ。
ようやく草刈り作業が始まった頃にドルトムントがキルズをつれてやって来たのだが開口一番文句をいい始めた。
「思ったより作業が進んでいないがどういうことだ。おいローグ、ちょっと来い。お前達、遊んでいたんじゃないだろうな?」
「ドルトムントさん。早速ゴブリンが出たもんで派遣の奴等が怯えちまってなかなか始められなかったんでさぁ。奴ら奴隷じゃないから命令しても言うこと聞かないし、なんで奴隷じゃないんですか?」
「あぁ、奴隷は主人が生活の面倒を見ないと国がうるさいだろう。派遣なら最低限の給料さえ払えばあとは自己責任だから生活の面倒も見なくていいし奴隷より安上がりなんだよ。それよりお前ら、何の為の護衛だと思っているんだ。おい、ラリー、こっちは言われた通り人を出しているんだからきっちり護衛して貰わないと困るんだがなぁ。」
なんかドルトムントがサラっと酷いことを言っている。ろくな社会保障も受けられず大量のワーキングプアを生み出した聖域なき構造改革実施当時の派遣社員のような扱いなのだろうか。元社畜としては勝手に門を作ったことよりもブラック農家に派遣された弱者の方々が農奴以下の扱いをされていなかの方が心配である。
「あんなところに門を作っておいて何だその言いぐさは。ゴブリンどもは門の死角に隠れて様子を伺っていたんだぞ。こっちが探知で見つけて先手を打てたから良かったもののローグは油断してそのまま門を開けそうになってたんだぞ。」
「あぁ、どういうことだ…ローグ」
ローグが自分に都合のいい説明しかしないから飛んだとばっちりだ。ドルトムントに睨まれてローグの目が泳いでいる。
「おい、ドルトムント。ローグを怒鳴ってごまかそうとしてもそうはいかねーからな。この門のことも柵の外の畑のこともきっちりと説明してもらおうか。」
昨日は西門から回って途中で引き返したので気付かなかったのだが柵の外、南の森との間にしっかりと手が入れられた畑が広がっている。いつの間にか勝手に柵の外を開墾して畑にしたんだろう。
「柵の外に畑を作るだけじゃ飽き足らず勝手に門を付け加えやがって。まさか会合で言っていた被害が出ている畑ってのはこの勝手に作った外の畑のことじゃねえだろうな?」
「仕方がないだろう。街の方じゃ東側の拡張工事で人も増えてるからそれに合わせて農作物の需要が増えているんだ。だからこうやって畑を増やさないと農作物の供給が追い付かないんだよ。このままで麦やら野菜やらが値上がりしたらお前たちだって困るのだろうが。」
ラリーが食って掛かっているがドルトムントはどこ吹く風だ。
「まあ、そうは言ってもこのままだと森との境界が曖昧になっていずれ魔獣が町の中に入り込んでくるからな。そうなる前に草を刈って緩衝地帯を維持する必要はあるんだからさっさと片付けよう。」
仕方が無いので俺はラリーを宥めて作業を進めることにした。ラリーもそこは理解しているので
「次の会合でキッチリ落とし前は付けてもらうからな。」
と捨て台詞を吐いて護衛に戻っていった。
『カラーン、カラーン』
畑の周りがある程度見られる位には作業が進んだ頃、遠くで昼の鐘が鳴っている音が聞こえてきた。その音を聞いて畑の周囲を護衛していたレリアさん達が戻ってきて門の所に集まる。だが、派遣労働者の方々は、集まってきた護衛のことをその場で不思議そうに見ているだけでそのまま草刈り作業を続けている。
「よーし、昼休憩にしようぜ。ドルトムント、昼飯くらい俺たちの分も当然用意しているんだろうな?」
「は、何言ってんだよ。こいつらの飯は一日二食だ。当然昼休憩なんて物は無い。そもそもお前達の昼飯をなんで俺が用意しないと行けないんだ。」
「なんだと。どこをどう見てもお前が勝手に拡張した畑の周りの整備だろうが。このペースだとまだ何日も掛かるぞ。その間、俺たちを昼飯も抜きでタダ働きさせようってのか?」
「何言っているんだ。これは魔獣の被害から"西"の地区を守るために必要なことだってそこの魔法使いも言っていただろう。こっちは余計に六人も人手を出しているんだ。感謝されることはあっても文句を言われる筋合いは無いな。じゃあ俺は屋敷に戻って昼飯を食べてくるからお前達は休まずしっかり働けよ。」
おおー、ゲスいぜドルトムント。うわー、このままだとラリーの頭の血管が切れそうだ。それに何日も護衛に駆り出されるのも面倒だし、仕方がないからやってしまうか。
「まあまあラリー、落ち着け。ドルトムントさんの言う通りだぞ。このままだと森との境界がくっついで町中まで魔獣が溢れるようになっちまう。事は一刻を争う、"西南"だけでなく"西"地区全体の問題だ。」
「なっ、ユージお前何言って…」
「くっくっく、そうだぞラリー。事は一刻を争う。ドルトムントさんの言うとおり此処いらの魔獣達は一掃する必要があるし緩衝地帯に生えている雑草は一本残らず根絶やしにしないとな。一本残らず根絶やしだぞ。大事なことだから二回言うが。」
そう言いながら両手を広げ手のひらから風の初級魔法の【旋風】を発動してその上から火の初級魔法の【ファイア】を重ね掛けする。複合魔法で作るなんちゃって【ファイア・トルネード】だ。複合とはいえ初級魔法だから制御は簡単だし魔力使用量も抑えられる。中級の【ファイア・トルネード】だと魔力は喰うし威力が高すぎて此処いら一帯焼け野原にしかねない。まあそんな事には成らないように制御できるけど面倒だ。
ふっふっふ。悪い顔をしている自覚はある。ラリーも含めて周りのみんながドン引きしている。
「ばっ、ばか。止めろ。そんな事をしたら畑まで焼いてしまうだろうが。」
「おやおや、ドルトムントさん。何を言っているのか分かりませんね。ドルトムントさんの言うとおりこれは"西"地区全体の案件だから俺も頑張らないとね。えい。」
『どごどごどごどごごごぉー』
魔力を解放し緩衝地帯を焼き尽くす。同時に森が延焼しないように境界に【ウォーター・ウォール】を展開する。一応畑も残しておく。でないとドルトムントの事だから八つ当たりで派遣作業員のご飯を減らしかねない。一日二食で昼間働き詰めなんてかわいそすぎるのにさらにご飯抜きとかさすがに死んじゃうだろう。
「よし」
一通り焼き尽くして爆風も収まってきたので締めてみた。
「よしじゃね。俺たちを殺す気か。」
「イヤー、照れるな。」
「褒めてねえし。」
ローグが喰って掛かってくるが受け流しておく。
「がんばった?」
「頑張ったレベルじゃねえだろう。それに何で疑問形なんだ。」
「いやー早くお昼にしたかったし、頑張ったら余計お腹空いちゃったよ。西門から回ってマーサさんの所でみんなでお昼にしようぜ。」
「ふぅー、そうだな。帰るか。じゃあまたなドルトムント」
ラリーが諦めたような顔をしてため息をつきながら解散を告げている。ラリーと俺が歩き出すと流石のレリアさんが何とかあとを付いてくる。喰って掛かって来たローグと一人だけ目をキラキラさせながらこっちを見ている派遣の女の子以外はまだ呆けているようだ。
「おーい、エミリア、ナギル、どうした?腰でも抜けたか?」
『『ふるふる』』
振り返って動けないでいるエミリアとナギルに話しかけると二人揃って首を横に振っている。
「なら帰って昼飯にするぞ。」
『『こくこく』』
今度は二人揃って首を縦に振るとふらふらと歩き出した。固まったままの"西南"の連中は、まあいずれ復活するだろう。魔法で焼いた緩衝地帯を延焼も燃やし残しも無いとは思うのだが目視で確認しながら威力を抑えたなんちゃって【ファイア・トルネード】と延焼を防ぐための【ウォーター・ウォール】を使って街道にでるまでの緩衝地帯を確保しつつ外西門経由で戻っていった。
****************
その日の深夜、"西南"と呼ばれる地域から街の城壁にある西門へと走る影の気配がある。街と町を隔てる城壁に備えられた西門の扉はこの時間には閉ざされており通る事が出来ない。その隅にある通用口に近づくと何度かリズミカルに扉を叩く。
「山」
「おっぱい」
シティーな狩人みたいなやりとりの後、開いた通用門から影が中に滑り込みそのまま領主の館まで気配を消しながら走って行く。
「領主様、本日昼頃に西の外町近辺で発生した炎の魔法に関してご報告いたします。」
「うむ。」
領主の館の執務室で遅くまで仕事をしていた領主の元まで来ると影に潜んだまま報告を始めた。
『モゾモゾ』
その影の影から這い出る者がいた。俺の獣魔、漆黒の毛がびっしりと生えた小さな蜘蛛の魔物のランちゃんだ。体長は大人の手のひら位で比較的小さいが種族はアサシン・タランチュラというとても物騒な名前に負けず色々と物騒なスキルを持っている。名前の通り暗殺や諜報に優れていてこうして相手の影に潜んだまま情報収集ができる超優秀なエージェントだ。今もこうして忍び込んだ上に【念話】のスキルで会話も筒抜けである。
「放ったのは、街外町の北側に住む【魔法使い】のユージなる者。懸案となっていた西の町の南側にある森との境界線にはびこっていた雑草を炎の魔法で焼き尽くしました。」
「なんだと。その威力はどれくらいだ。」
「うちの魔導士部隊の魔法使いどもでは束になってもかなわないでしょう。」
「なんと。それで誰か対抗できるのか?」
「王都の宮廷魔導士ならばあるいは。彼らの全てを把握でいていないため推測になりますが。しかし幸いなことに北側の養鶏場やら牧場の開発に出資しているようで初期の頃は魔法で色々やらかしておりましたがが一段落した最近では冒険者ギルドや街の道具屋に定期的にポーションを卸す程度でわりと大人しくしているようです。」
「もし街に何かあると養鶏場の売り上げにも影響が出るから街を破壊するようなことはしないか。」
「どちらかと言えば協力的かと。」
「下手につついて敵対されても困るな。では今まで通り様子見で。」
「承知いたしました。」
「では引き続き闇奴隷の動きを探るように。」
「はっ」
報告を終え指示を受けた男は最後までその影のなかに潜んだランちゃんに気づく事無く一緒に退室していった。
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