第5話
ぴとっぴとっ
春彦は自分の顔に落ちる水滴の感触で目を覚ました。
「う、、ここはどこなんだ。くそ、体が痛い。」
周りを見渡すとごつごつとした地面に自分は寝ており体が痛くなる理由はすぐに検討がついた。
「見た感じ洞窟みたいなところだがなんで明るいんだ?壁には何もついてないぞ、これが異世界というものか。」
うんうん、と感心したように言う。
「とりあえず、まだ見れてない自分のステータスを確認する必要があるな。」
「あ、魔法ってどうやって発動するんだ?名前言えば出るのか?さっぱりわからん。」
とりあえず、魔法名を力ずよく言ってみた。
「鑑定!!!」
言ったはいいものの何も起こらずただ一人恥ずかしい思いをしただけであった。
「な、なんでだよ。」
「なんで発動しないんだ?やばいぞ最初から詰んでいるじゃないか。身一つで何ができるっていうんだよ.....」
「発動することが出来ないなんて宝の持ち腐れだな。」
はあああ、と大きなため息をついた。
「ここにいても仕方ないし探索でもしよう、何か落ちてるかもしれないからな。」
10分後......
やばいやばいやばい!!!!
語彙力がなくなってしまうほどにやばいぞこの状況は!
春彦は現在、モンスターの群れに追い掛け回されている最中である。
ドドドドドドドドドド!!!!!!
地鳴りのように聞こえるモンスターの足音、もし今の走っているスピードが少しでも落ちてしまったら春彦はすぐに食い殺されてしまうだろう。
「くそ!!!何とかしないと本当に死ぬ!!!!!」
はあ、はあ、はあ、と徐々に荒くなる呼吸。
「あ、足が動かなくなってきたぞ。」
すると春彦の目線の先に曲がり角が見える。
「(急げ!少しでも距離を離してからじゃないと撒くことが出来なくなる!!)」
「(考えろ! 自分には何ができる! 神からもらったスキルは何だった?! )」
「(隠密だ! そうだこれがあるぞ! まだ何とかなるかもしれない、賭けるしかない自分の力に! )」
曲がり角を曲がり終え自分の姿が完全に見えなくなってから春彦は魔法を唱えた。
「隠密!!!!!!」
魔法を唱えた後すぐに近くの物陰へと移動し息をひそめた。
モンスターの群れの足音は次第に大きくなり春彦は自分がばれないことを願った。
すると、春彦の願いがかなったかはわからないがそのままモンスターの群れは通り過ぎて行った。
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