第45話

「伸二は、過去にさかのぼる薬を作れたんだもん。

 タイムマシンのような薬だって作れるよ。」


「深雪・・・?」


「もしも・・・

 もしも・・・

 その薬が完成したら・・・

 伸二が、私の背中を刺してね。

 知らない人に刺されるのは嫌だけど・・・

 伸二ならいいかなって思うから・・・」


深雪、お前は、何を言ってるのだ??

何が言いたいのだ?

俺には、理解できない。


「私も、手伝うから。

 一生懸命手伝うから。

 ね?いいでしょ・・・」


深雪の目は本気だった。

優しく微笑んでいるその瞳の奥に。

本当の優しさを感じてしまった。


「一生掛かってでも・・・

 一生掛かってでも、作ろうね」


「ありがとう。」


俺は、ただ、お礼を言うしか出来なかった。

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