第10話
「いや~若いって良いねぇ~」
加藤室長だ……
確か、肺癌で亡くなるんだよな……
俺が、下を向いて居ると、同期の西村が、俺の頭をこついた……。
「お前、昨日は深雪ちゃんと、デートだったよな……?」
「あ……あぁ……」
「で……遅刻したと?」
「遅れて、すまない……」
すると、西村は腕を組んで少し引きつった顔で話を続けた。
「そう言う事を言ってるんじゃねぇ……
あの美人の深雪ちゃんに、夜遅くまで、あんな事やこんな事をして、楽しんでたんだよな?」
「ふ、不潔です!」
研修生のフミちゃんが、目を潤ませながら、俺を見つめた。
懐かしい面子に、俺は懐かしさを感じつつあった。
「知ってるか?陰毛を調べれば、その人の性暦が解かるんだぞ?」
フミちゃんが目を丸くして驚いている。
「オラ!陰毛調べてやるから、脱げ!」
「先輩……
研究の為に犠牲になって下さい……」
と、二人掛かりで俺のズボンを下ろそうとした。
加藤さんは、ケラケラとその様子を楽しんでいる。
俺は、とっさに思い出した……
確か、この二人……
この時には、付き合っているはず……
「お前ら、二人はどうなんだよ~?
意気投合しちゃってさ、付き合ってるんじゃないのかぁ?」
「な、なぜそれを!?」
油断した、二人の手を振り払い。
俺は、体制を整えた。
そうこうしている内に、深雪が戻って来たのを確かめると、加藤さんが、「そろそろ仕事をしようか……」と、言ったのを合図に、今日の業務が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます