第4話
「ありがとう……
一生、大切にします」
彼女は笑いながら俺に言った。
救急車のサイレンが聞こえる……
彼女が、救急隊にさらわれるまで……
俺は、放心状態だった……
病院の待合室では、深雪の父親が来ていた……
そうだった……
深雪は、母親を早くに亡くして……
父親一人で育てられたんだよな……
そのせいか……
料理が凄く上手で……
深雪の父親は、無言で俺を睨んでいた……
男手一人で育てた娘を俺は守れなかったんだ……
恨まれて当然なんだ……
俺は、自分を攻め続けた……
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