第6話

 そうして1日の業務が終わった。

 楽しいようで、悲しく。

 悲しいようで、それを忘れられそうな1日が。

 「さあ、連勤を頑張ったご褒美は何にしよう」

 なんていつものように考えた。

 だが思い出してしまった。「あ、(そうだ、ひらのばあちゃん...)」。

 結局作者はこの日、自分にご褒美なんてあげる気にはなれず、まして、駅に乗ってきた自転車の鍵を職場に忘れて、視線を90度下げ、ただひたすらに、忘却の術を探していた。

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