第2話
作者はカフェに行くと、いつも迷いなく禁煙席に足を運ぶ。
作者はタバコがきらいなのだ。
タバコだけではない、
煙もきらい、
酒もきらい、
香水もきらい、
辛いものどころか、
香辛料が苦手など、
とにかく鼻が弱い。
そして嗅覚が鋭い。
そんな作者は、今日は何を思ってか、
カフェの隅の喫煙席に座った。
一瞬禁煙席に行こうとしたが、行くのをやめた。なぜなら、
「顔を見られない落ち着いた隅の席」
という本日の希望を叶えられる場所がなかったのだ。
それだけではない。今日はなぜか。
ほど良い(煙たくない、むせない、しつこく臭わない程度の)タバコの煙に埋もれたかったのだ。
作者にそうさせる、“何か”が起きたのだ。
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