ANOTHER SIDE:クロト EP2
第27話
ーー
「こんな所に女の子!?」
放り込まれた辺獄の地下迷宮も地下七回まで来ていた。その一室、機械に繋がれていた少女がいた。機械の絡むその肢体には一片の布も無く、蓮の茎の様に灘らかな身体の曲線が空気に晒されている。
慌てて目を逸らす。
「ど、どど、どうにかして外さないと......」
さして機械に強い自信はないが目の前の端末のボタンを押す。
押した後に思ったが不味いボタンを押したかもしれないと、一瞬、血の気が引く。
その内心とは裏腹に少女を拘束していた機器やコード、鎖の類が全て外れる。
支えの無くなった少女の身体はこちら側に倒れるので両手で支える。
腕の中の少女は人形の様な綺麗な顔立ちをしている。しかしよくよく見るとそれぞれの関節に細く隙間があった。
驚いて全身を観察すると身体の細かい部分がオミットされていて、生殖器も無い。
また肌は柔らかい乙女のそれだが手に伝わってくるのは無機物の冷たさ。
少女は起き上がりゆっくりサファイアの様な瞳を開ける。
これらから導き出される答えは即ち.........
「
彼女はこのダンジョンで産まれる
《
「起動ボタンの残存生体反応から検知.........完了。情報登録.........完了。低出力装備展開。」
白黒のゴシックドレスが少女の体を覆う。
少女はこちらを見た。
「おはようございます。
そのまま暫く思考が渋滞を起こしていた。
ーー 凡そ十五分後 ーー
「つまり君はゴーレムタイプのレアモンスターで?」
「種族名はマギナリードールと言います。」
「起動者である俺の従者で?」
「はい。
クーフェリアは優雅且つ慎ましやかに一礼した。
「とりあえずクーフェリアはどんなことが出来るんだ?」
「
「アイツの五倍.........しかも更に昇がるか。」
「また一般的な言語、作法、学習機能、簡易医術、家事全般のプログラムがインストールされています。それが
「かなりの高性能だな。姉妹、兄弟とかはいるのか?」
「居ません。マギナリードールは製造に凡そ五百年を要します。また、起動者が現れない限りそのままで、次は
突然背後から重い駆動音が鳴り出す。これからクーフェリアの妹を五百年の時をかけて造り始めるのだろう。
「にしてもクーフェリアは少し長いな.........そうだ!クーフェリア、俺はお前の事を少し縮めて《フィリア》と呼ぶ事にする。」
「
「今の所確認する事は以上だ。さあ地獄の底まで進もうか!!」
「
俺達は再び稼働を始めた《マギナリードール》の生産プラントを後にした。
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