第23話
ーー ノニ山中村、コンコ宅 ーー
「それでは第二回キバイノシシ対策会議を始めます。」
「ドンドンパフパフー。」
五人揃って二回目の作戦会議が始まる。
「所でコウイチ、アツシ、その下りは必要なの?」
「分かってないなユキヤ。今のは会議を始めるに当たって必要なんだよ。」
「そうは思えないけどね。」
「.........コホン。じゃあ早速議題に入ろう。議題は勿論キバイノシシの討伐についてだ。俺達の実力でも問題なく倒せるのかも知れない。でも万が一もある為慎重に行こう。」
王属騎士にとってキバイノシシは云えば雑魚の種類だ。一人で一晩中、幾らでも相手どれると言う。
しかし王属騎士は下っ端でも超の付くエリート。入団するまでにかなりの篩にかけられる。
果たして自分達が何処まで戦えるのかは分からないのである。
「こっちのメンバーの特徴はアツシはパワー、イナホはスピード、ユキヤは剣技と魔術、イクコちゃんはサポートにそれぞれ一日の長があって俺は......どうだ?」
「アイラさん曰くコウイチは五人の中では最も魔法的な出力が高いらしいよ。」
「あと戦闘スタイルは割と
「こちらの確認は良し。次に地形。キバイノシシとはあの穴蔵周辺で戦う事になるだろう。」
「なるべくオレたちの優位な地形で戦った方がいいだろ。余り開けた場所は良くないだろうな。突進して来るし。」
「そしたら茂みの中に簡単な罠を仕掛けたら?」
「効くかどうかは分からないけど......無いよりはマシだよね。」
「イノシシって夜に行動するイメージがあるんだけど実際どうなんだ?」
「いや、基本的には昼行性の筈だよ。ただし鼻がよく効くから目が見えなくても案外行動出来るんだ。」
「そしたら夜は止めた方がいいな。」
「よし、じゃあ第一に茂みの中に罠を仕掛ける。次に誰かが巣穴から
「「それで行こう!!」」
「ただ、誰がおびき寄せに行く?なんなら俺で良いけど。」
「私が行くわ。一番速いのは私だもん。」
「頼んだ。俺達の
キバイノシシ攻略の方針は固まった。決行は明日だ。
ーー 翌日、ノニ山キバイノシシの巣穴近辺 ーー
近場の茂みの中に幾つか罠を設置し準備を終えた。コウイチ、アツシ、イクコと自分は待ち構える位置に着いた。
「じゃ、行ってくるね。」
「気をつけろ!怪我すんなよ!!」
「攻撃、迎撃はいいから兎に角逃げて。」
「リョーカイ!直ぐに戻ってくるからね。」
イナホは巣穴へと入って行く。
一分位だろう経った頃、イナホが飛び出して来た。
そしてその後を追って、ゴオオオ!!!!と、唸り声を上げながら丸太の様な牙を持ち、上下に三メートル弱、前後で四メートルを超える巨大なイノシシ、キバイノシシが遂に自分達の前に、その巨体の全貌を顕した。
ーー 同刻、ノニ山 ーー
勇者達の監視を仰せつかったフロロは勇者達に気付かれ無いように少し離れた場所から見守っていた。
しかし標的のキバイノシシを見た時、タラリと冷や汗が流れた。
「オイオイオイ、あのキバイノシシでけ〜。更に腹にフクロまで着いていやがる。間違いねえ。アレは『
フロロは魔法道具によりジゼルへと連絡するのだった。
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