第6話 デート


佐川悦司の読みどおり、設楽しおりは、三人の友情を信じきっていた。

三沢えりこは、ルーズな性格で、いつも待ち合わせに遅れてやってきた。

えりこがやってくるまでの、十分間。

悦司としおりの二人だけの時間が、なによりも、悦司には喜ばしかった。

「スマン!」

えりこは、いつも、遅れてきては、その一言を言うと、話の輪の中に加わった。


でね、次の連休なんだけど…。

悦司としおりは、えりこに訊ねた。

「Dランドでいいじゃん。」

えりこは、考えるのも面倒臭そうだった。


じゃあ、僕が手配するよ。

入場券の手配を、悦司が引き受けた。


悦司の叔父の会社が、Dランドとのスポンサー関係になっていることもあって、入場券は、簡単に手に入る。

だが、当日、えりこは、待ち合わせ場所に来なかった。


「えりこ、来ないね。」

「とりあえず、あと十分待って、来ないようだったら、入ろう。」


えりこのすっぽかしによって、二人のデートは始まった。



―つづく―

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