第九三九回 試験の後は試合だぜ……と、その前に。


 ――今年もまたある、パートⅣとなるウメチカ戦。でも、その前にあるの。



 初めてとなる臨海学校。ウメチカ戦はその後に控える。でも問題は、まだその前。臨海学校の前。期末考査となる。七月入ってすぐだ。なので、盛沢山なイベントの数々。


 僕ら生徒会は、皆の安全を願う。


 無事故を徹底する。まずは臨海学校。参加対象は旧高等部一年生と新高等部一年生。これって、どういうことかわかる? 僕らウメチカ・ファイブ……つまり僕と、梨花りか可奈かなせつ太郎たろう君。あれれ? りんも入れたらシックスで、その上にまつちか君も入れたのなら、セブンとなる。この七人が全員、参加対象となるのだ。すると何が起きるの?


 生徒会の殆どのメンバーが、臨海学校の対象者ということなのだ。

 参加している間、僕らは臨海学校のジャッジメントということだ。


 そして今、この青春の真っ只中をカタカタと……エッセイで飾る。


 もうすぐ夜も更ける頃、僕は文章にする。自身の物語をエッセイとした。梨花がそうしていたように、僕もまた。自身のお部屋の中で一人……と思いきや、エックちゃんも一緒だった。多分、一日の殆どが僕の傍。学園にいる間は、お利口にお留守番だけど……


 そう。お利口なの。


 ジョギングは、今となっては賑やかなもの。始めた頃は一人だったけど、今は梨花も一緒。時々、梨花がいるのを忘れて自身のペースで走ることもあるけど、できる限りはペースを合わしている。そう。できる限りは……なら、そうでないこともあるの?


 今はそうなの。エックちゃんの散歩を兼ねると、僕がアップアップになる程だから、梨花にペースを合わせることが難しくなっていたの。なので最近は、梨花は可奈と走ることが多くなった。では、可奈は何故ジョギングを始めたのか? その目的は……


「訊かないで」と言っていた。でも察しはつく、女の子ゆえに訊けない事柄で、ふっくらとしてきたから。それが理由なら納得。それでも帰ったのなら、腹八分を越えることも珍しくない食事の量。それでも美味しく食せるのなら、それはもう万々歳だ。



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