第八六八回 レッツプレイ。激戦は必至で。


 ――早速その模様。魔法少女にはアイテムがある。それはステッキ。



 ただのステッキではなく、その名をマジカルステッキと呼ぶ。アニメで御馴染みの、必須アイテム。初代のみずきちゃんから、その伝統は受け継がれている。


 僕のキャラも例外ではなく、それこそが最強のアイテム。刀にすることもできるの。僕らの戦いは光線技も豊富だけれど、これは℮スポなだけに、肉弾戦が主流となる……


 僕は今まで、共に戦ってきて、

 ウルトラ・タロの癖を知ることとなる。つまりは動き。攻撃や防御の特徴も。


 僕は勘で、その動きを把握することができるようになるまで……共にウメチカ戦を戦い抜いてきた。三度という長い期間をかけて、漸く今、その機会を迎えられたの。


 僕が本当に戦いたかった相手。


 太郎たろう君との対戦を、夢に見て。あの日の瞬殺を忘れたことはなかった。


 放つ剣劇。僕のマジカルステッキは刃……剣となった。ウルトラ・タロは格闘術、パンチやキックが主流となる。それだけでも、僕のキャラを瞬殺できる程の技の持ち主。


 しかしながら、今の僕には通用しない。


 美を追求した剣の舞は、華麗だけれど、残虐非道……


 切り刻み、貫くの。深々と、ウルトラ・タロの胸を、剣先は貫通していた。そして無情にもヒットポイントが奪われる。ウルトラ・タロは敗れるのだ。僕のキャラに……


 可愛らしい、その容姿とは裏腹に、

 放つ技は残虐非道。時としては、相手がバラバラになるのだ。


 剣劇から生まれる真空派によって。その切れ味は鋼をも切る。


 僕自身も恐ろしいと思った程……太郎君に勝利したいという一念が、この技を編み出させたのだ。君を想う一途な愛は、時として僕を凶器にしたのだ。ここまでなれば、まるでサスペンス劇場の仲間入りとなる。あくまで技と技の健全たるぶつかり合いでありたいから、技を極めた結果と思いたいの。それには太郎君も納得してくれたから。きっと……



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