第一一四章 とある嵐のエピソードに。
第八二四回 その名は台風と呼ばれた。
――今までに経験したことのない台風。それがこの台風の名前となった。
大型で強い台風が、僕らの住む日本列島に上陸する。その日は十九日……と、ニュースで謳われていた。その日の早朝、電車が動く音は奏でられなかった。止まっていたかと思いきや、登校には支障がない程、電車は普通に元気よく動いていた。
……私鉄沿線は十八時までは通常。でも、国の鉄道は十五時より間引き運転どころか運休になるとの情報。その影響もあって車内はガラガラ。僕の他には、
「とにかく学園へ行ってみよっ」とも付け加えて。するとすると見る見ると、徐々にだけど顔ぶれは揃う。教室に入るならば、皆そこに集っている。欠席者はなし。
授業も開始された。
歴史のお時間となって、まるで教科書から飛び出したような人物が、僕らに教えてくれる。その三国志。そしてその名も、
本来なら中等部の先生だけれど、今日は特別に三国志を題材にした内容。そのため、この時間だけを担当だ。因みに僕らは高等部一年生。しかも二学期を迎える。
中間考査も控えることから、
試験範囲に入っているとのことなので、ポイントだけを覚えて、詳細に関しては後日のテーマとした。ちゃんと高等部の先生の出番を考慮してくれていた。そして紛れもなくあの日……夏休みに訪れた絹の道で出会った人物なの。
あの日以来。……生徒会でお顔を合わせた日以来。生徒会のお仕事を手伝ってくれると言っていたから、また会えるよね。と、そう思っているうちに、いつの間にか授業は終わっていて、いつの間にか中休みの時間に入っていた。因みに午前十時十五分のことだ。
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