第四六一回 残るのは僅かなる謎? そして千佳も……
僕らは、お家に辿り着いた。もちろん
僕にはわかる。あの男のしたことは、千佳の思い出を……心の傷を蘇らせるのには充分に、あまりにも過去を煽り過ぎた。僕の脳には、後悔の念が広がって……
「ごめんね」と、いくら謝っても足りない程に、僕は僕の部屋で膝を抱えていた。涙も流れそうな不陰気だ。――(何で僕は、千佳にあんなこと言ったんだろう?)
誰よりも、千佳のことを理解していたはずなのに、何でわかってあげられなかったのだろう? 千佳の言う通り、知ろうともしていなかったのかもしれない。……千佳は、もう筆を執れないのだろうか……なら、僕のせいだ。大好きだったウメチカを、僕は潰してしまった。良かれと思ってしたのに、……本当に泣けてきて、千佳が治るまで僕が、僕がウメチカを続けるよ。――PCを起動させて、とある小説サイトの『書くと読む』のウメチカにログインする。画面に広がる千佳の作品と、読者のコメントたち。
そうなるともう、涙が止まらない。
それでも執筆……今日の更新なの。
逃げ場のない電車の中、あの男が追いかけてきて……あの時、なぜタイミングよく刑事さんがいたのか? それもマカロニウエスタン風の私服警官が。つい先ほど知った話だけれど、ニュースに流れていた。あの男は
マカロニ・二世さんは、最上という男を張り込み追っていたそうだ。その情報は
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