第四三三回 それでも、本格的にはGW明け。
――学園もお休みに入るから。不要不急の外出自粛のゴールデンウイークに。
それは明日から。
今日は四月末で、その前日。五連休の前日で、一日だけのクラブ活動に励む。
芸術棟の二階の、その奥……アトリエという場所に
その少し離れた場所。……ソーシャルディスタンスの三倍ほどの距離を保ちつつ、見守る
そんな時間……
色づくのは、やっぱり夏。そんな気がするの、キャンバスに。きっとこの風景にも、人物が入る……という予定だ。そう葉月ちゃんは言っていた。物語という大いなる柱に、骨組みまでも描かれる。その段階を繰り返している。定まればプロットが発生するの。そしてキャラが色付けを始める。……そうだね。僕も学ぶことは多いの、葉月ちゃんに。
エッセイも、また物語。
僕らのリアルを伝えるのだから、大いなる物語だ。
葉月ちゃんは、まだ助走段階だ。ブレザー制服のままスケッチブックに描いている。ごく普通の光景に見えるだろうけど、それが葉月ちゃんの普通ではないの。
風景とも溶け込んで、仲良くなれるの。
それに何よりも、お肌は基本色であり明暗も、自分の裸体を基準としているそうだ。
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