第四一五回 四月十五日。決意ある所に魔が現る。


 ――シンデレラの刻が過ぎても、続くSNSの通知。その画面を見る度に、画面いっぱいに『バカ』の連続や『変態』の連続とか、……『二股女、死ね!』の連続まで。



 夜と朝の間中、幾度も幾度も……三十回ほど連続で今も尚。僕は探る、脳内で心当たりを。広き荒野のような脳内なだけに、解せず、解らず、解らないまま……カーテンの隙間から陽が差し込んだ。僕はスマホを形見離さずに、ずっとずっと、お布団の中で一緒。


 ギュッと深く、お布団に潜る。


 察しの通りに、一睡もせずで……できなかった。

 昼間、心の疲れを癒しにお花畑で、強き決心をしたばかりなのに、


 ……過労。きっと心の疲れ。吐きそうにもなって、倦怠感の塊に。お布団を全身に被ったままで身動き取れず、やがては梨花りかの気配を感じ、やっぱり梨花は、声を掛けるの。


千佳ちか、起きないと朝シャン間に合わないよ」


「……いい。しんどいの」



 ガバッ……と、お布団を捲られた。一気に目に染みる光、そして覗き込む梨花の顔。


「かなりヤバいの?」


「……うん、激ヤバ」


 頬は濡れたような感覚。息も……少し苦しい。とても起きれそうになくて、


「お母さん呼んでこようか?」


「……うん、お願い」


 梨花はすぐさま、お部屋を出た。僕はこの日、学園を休んだ。……幸いにして微熱程度の……六度八分。お母さんと一緒に病院に行った。体調も、少しは穏やかになった十一時頃。でも、通知は続くの。ペースは落ちて一時間に一回程度に。もちろん心当たりのない番号。何とか、だけれど、お薬と過労で、やっと眠れた。次に目覚めたのは、


 ――もう午後の三時で、玄関のベルの調べも聞こえ、足音が近づいてくる。



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