第三九四回 ……前略。事後報告となりますが。


 ――この度のKAC。つまり『書くと読む。アニバーサリー・チャンピオンシップ』へのエントリーに踏み込んだ。梨花りかと阿吽の呼吸をもって意気投合。挑戦の開始だ。



 鉄道博物館の余韻も残しつつ、同日、初のお題「おうち時間」に颯爽たるチャレンジを試み、梨花と一緒に執筆を開始。……それが始まりとなる。第二のお題「走る」も梨花と二人、身をもって暁に執筆した。……それが、今朝のこと。平日にも拘らず行動。


 執筆の背景は、これまでとは異なる。


 決して静かな場所は求められず、表と裏の隔たりが崩壊。まるでアウトドアのようなその背景。オープンもオープンで、来るもの拒まずだ。



 ――それは、春のイベントに通ずる。


 まずは全十回を数えるお題……残り八回のお題、必ずや梨花と一緒に手を取り合ってクリアしてみせるとの意気込み。できる限りとは謳うものの、近況報告ノートに。でも本音は強き一念。すべてのお題を執筆しようと密かなる決意は、燃ゆる炎の如くだ。


 僕と梨花は同じ思い同じ決意を表明しあっている。


 二日に一度のお題……以前は、とても難しいものと思えた。だから去年は見送った。梨花も僕も……Mさんのようにベテランの域にならなければ……とばかり思っていたの。


 でも挑戦していかなけれな、ずっと同じ域。


 前進なきところに、明日はなし。明日に辿り着きたいのなら、前進あるのみ。あくまでも明るい前進の道程。折角のイベントなのだから、楽しもうと思う。弾けようと思う。


 それは何のため? 皆のためでありながら、自分のためでもある。

 井戸の中の蛙から、その舞台ももっと広い場所へと、そのために。


 その先には新学期。芸術部には新たなメンバーが二人顔を合せる。先輩としてその舞台を作ってあげなきゃ……との思い。仮にも生徒会の一員。それはそれはウメチカ・ファイブの一員だから。桜並木のように誇らしく威風も堂々と、そのような人になりたいの。



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