第三〇九回 そして……見えていた子。
――お話を進める前に今一度、確認したいことがあって、今ここに綴ってみる。
ここでエッセイを綴るのも、
今日が最後になる。……一文字、一文字を噛みしめながら綴る。
明日の今頃は、もう新居に身を置き、きっと
明日は
学園の往復と、そして新居まで。
そこで、お祖母ちゃんに会うの。明日からずっと一緒……楽しみだ。
そして今一度、確認したいこととは……
梨花には見えないし、
臨死体験というのか、命に係わること。
それがきっかけ……なのかな? 見えるようになった。なったそうなの。
幽霊とはいっても、
テレビとかで拝見する幽霊とはイメージが違うの。とっても優しかった。
そしてきっと、僕が二度と手首を切らないように、葉月ちゃんが元気な体を手にするために……僕らを見守り守ってくれていた。誰よりも命を大切に想う幽霊だったの。
それはティムさんのように、あしながおじさん的な存在……
そして……そう、この古時計は、旧一おじちゃんが大好きだった古時計。旧一おじちゃんの形見だったの。――明日は、僕と一緒に新居に行こうね。そして僕のお部屋の時計として、また動き始めるの。これからは僕と、新しい時を刻むのだから……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます