第二九四回 そして今は師走……時間の流れ速く?
――ううん、そんなことないよ。
慌ただしくなく、この電車のようにローカル……普通なの。世間では騒がしいのかもしれないけれど、僕らは至って普通なの。だから手を繋ぐ、僕と
運命的な出会いを果たした双子なのだから。
それは、この度のⅩマス……ビッグなプレゼントにあった。全国ネットで放映される新たなるお家のビフォーとアフター。つまり『喫茶・
僕らも映る、特に最終日……
その日から、僕と梨花は正式に……本当に正式に……
泣けてきちゃった。もう十四年になる、僕と梨花は一緒に暮らす。双子だから、姉妹だから……当たり前のこと、普通で考えるなら。一緒にママのお腹の中にいたのだから、生まれた時から一緒だから、……きっと潜在的には、感じていたのかもしれないの。
梨花の息遣いを。梨花の鼓動を……
刻まれるリズム。とっても、とっても優しい魔法だね。
ポンと、それでいてソフトに梨花は、僕の肩に手を置いた。微笑みながらなの。
「もうすぐだね、
「り、梨花あ……」
抑えきれずに僕はマジ泣きに至った。登校中であることはもちろん、ここが電車の中であることも忘れ……もう二人の世界だ。梨花はそっと身を寄せてくれ、ポンポンと優しく背中を叩いてくれた。「まだ泣くの早いよ千佳、もっと素敵なことあるんだから」
――お祖母ちゃんも一緒に暮らすからね。みんな一緒だよ、これから。
その時に取っておこうね、その涙。……梨花は、梨花は、そう結んだ。
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