第二十二章 ……そうだね、まず八万文字から。
第百十三回 思えばいつも、一人じゃなかった。
――ふと落ちる涙は、とても温かくて、
それと同じように……温かな眼差しは、僕を見守ってくれていた。
例えるならば、この古時計……
傍らには写真。
……そうなの。ここはお家。窓の景色は夕映えにキラキラお星様。
僕も昔は、旧一おじちゃんと同じ『
「……ごめんね」という僕の言葉に、
太郎君だけではなく、梨花も
瑞希先生は僕と同じように、左の手首に一生残る傷跡……
令子先生は僕と同じ十三歳の頃……もうすぐ十四の誕生日を迎える前に心臓の手術。
一時は助からないと思われたけれど、奇跡的に一命を取り留め、回復にまで至った。
左胸に一生残る傷跡……だけれど、今ではニコちゃんマークのような笑顔。
――何よりも、みんなが笑顔になっていた。
明日も登校日。……きっと、ここからはもう笑顔で登校できる。
その思いを胸に秘め、僕はまたエッセイに取りかかる。『ウメチカ』で初のコンクールに挑む。七日に応募締め切りだ。まだ少し遠いけれど、八万文字以上を目指している。
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