第百十四回 思いの外、時の流れが速いみたい。


 ――でも、一日は平等に二十四時間。



 そう思う度に、

 ……人は勝手な生きものだと、つくづくそう思えるの。


 例えばこの度の、とある小説サイトに於ける『書くと読む』主催の、八万文字以上のコンクール。それにあたって僕は、だいぶ前からエントリーをしていた。



 完結は求めてないようだけど、

 締め切り時に、八万文字以上になっていることが条件。


 ……僕はまだ、この『ウメチカ』を完結する気はない。まだまだ書きたいこと、綴りたいことがいっぱいあるの。でもそれは、未だ見ぬ未来にあること……きっと、それは経験したこともない新章たる驚き。これまでも、どのお話も新鮮な出来事ばかり。


 辛い思い出は、早く過ぎてと願うのに、

 楽しい未来は、まだ過ぎないでほしい……と、待ち侘びるほど。


 それが証拠に、


 六月七日……締め切り当日だ。誠に言いにくいことだけど、縦が四十字×横が三十字の原稿が、一回分のエピソードの長さ。六百から七百文字相当が通常なのに対して、


 八万文字に対して当日……


 当日のね、午前九時の時点でね、……まだ六千文字も、残っていたの。


 六千文字を一日で……僕にとっては、本当に未知の領域で、しかもね、この様な長編は初めてのことなのに……どうしよう、どうしようと、繰り返し半泣きで。


 だからこその通常の二倍。

 一回分が二倍に相当するペース。あくまで自己都合で『スペシャル』を実行した。


 ……それにね、何よりも、いつも貴重なエールコメントを頂いている双子のお兄様たちとお姉様。皆様のおかげで、――僕は八万文字以上を成し遂げることができました。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る