第四十七回 そして、暫く滞在する僕らのパパ。
――滞在というのだから、
ほんの二、三時間の滞在。
僕らに内緒な大人のお話も込みで……別に、内緒にしなくても、
今の僕らには、そのお話を理解することはできないだろう。僕らはまだ子供だから。
――子供だから、
「パパ、一緒にゲームしよっ」と、グイグイと手を引っ張り、お部屋に招くのだ。
まずは僕から、これより一緒にやるゲームは……
そのゲームは、もちろん格ゲー。『ヒーローストリート・2020』だ。序でに申すなら、僕らは寸暇も惜しまずに、精進の道を歩んでいる。……なのだけれど、パパ(
正統派なキャラ。それは、このゲームの主人公的なキャラ。
昇り竜な拳や、波動砲のような気功を使う。その技によってHPは減るけど、僕は悉く勝利を手に入れていた。十戦し十勝という勝率をもって優越感に浸っていると、
「
と、あれれ? いつもは『僕』が梨花の一人称なのに、(またしても)名前が『梨花』が一人称になっている。さらに炸裂する甘えた声。……う~む、最近は何だか梨花のキャラが変わってきたような気がする。以前に増して『甘えたさん』になったのかな?
「じゃあ、交代」
と、僕はコントローラーを梨花に手渡す。すぐさま受け取る梨花……まるで、お祭りで林檎飴を貰った子供のように、ご機嫌な笑顔が印象的だ。
「じゃあパパ、レッツプレイだよ」
「おお、臨むところだ、梨花」
それから、どちらも退かぬ戦い……というよりも、呼吸ピッタリ。勝負つかずだ。
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