第二十七回 君は感じたことがあるか? Eの鼓動を!


 ――僕は今後、新一しんいちさんのことを『お父さん』ではなく『パパ』と呼ぶことにした。


 梨花りかと統一した。

 新一さんも、その方がややこしくないと言っていた……


 だとすれば、僕には『パパ』が二人になる。呼び名を変えることで区別しようと思っていたのだけど、……でも、僕には二人とも大切な『パパ』


 どちらも『大好き!』――ティムさんも、新一さんも、比べることなんてできない。



 今日は三月二十二日の日曜日。


 今日も変わらずエッセイを執筆しているのなら、僕の生まれて初めてのパパへの『おねだり』は成功したと言える。結局は梨花が……お姉ちゃんがパパに話をつけてくれた。


 ――Eスポ。

 つまり、僕でも理解できるように説明するのなら、


 まずは、そのためのゲーム機が欲しいのだ。モニターとKBキーボード。きっとそれだけではないのだろう。ある程度の予備知識がいる。……だったら『ウメチカ』へ、レッツゴーだ。



 ――ウメチカといえば、


 僕のもう一人のパパ、ティムさんが詳しい。……なのでパパが二人。それに梨花、さらに可奈かなも一緒という豪華キャストが集う行進。ゲーム機はDTデスクトップのPCにも似たような形状をしていると想像できる。……実は、誰もがゲーム機に詳しくないということが判明。


 梨花は梨花で名ばかりを知るのみで、

 ティムさんは、あくまで場所のみに詳しく、

 新一さんと僕は論外で……強いていうなら、僕はプレイヤーの立場なら強者つわものレベルで、


 その中でも可奈、機械に詳しい。それでいて一番のしっかり者で頼りになる。ウメチカを北へ北へと歩いた末にたどり着いた場所は『ドカラ』……略さなければ『ドバシ・カメラ』ということになる。――可奈は、そこの店員さんとトークを繰り広げるのだった。



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