第二十四回 とびっきりのおねだり? 僕のお泊りは、まだ続いている。


 ――それは、きっと梨花りかのため。


 ただ純粋に、姉を敬う妹の優しき想い……でも彼女は、僕のためだと言う。



 前回は、

 そのお話で途切れた……


 そのお話を繋ぐのも、繋ぎ合わせるのも僕の役目……だそうだ。


 まるで糸のようで……なら、それらを探す旅へと出たいものだ。――そもそも、それがテーマで始めた『新章たるウメチカ!』……『ウメチカ』から始まった物語。


 それは、その場所の名前。


 そしてまたは、僕のPNペンネーム。……と、由来なら沢山ある。けれども、今はEスポ。そこで僕は一言、こう言いたいの。「Eスポ……って?」……或いは質問とも言うけど。


「Eスポは、Eスポなの」


 と、答えは返ってくる。二または三回の問いに対し、梨花の答えはすべてそれ。

 と、まあ、そんなことをしているうちに、


 ――僕は対面した。まだパジャマのまま、それなのに梨花のパパと。でもその人は僕のお父さんでもあって、外観込みでよく似ている僕と梨花が、B型という血液型も一緒なだけではなくて本当に双子で……それも一卵性で、血の繋がりもあって、さらには血の繋がりもあるお父さんと、ここ、四棟の三〇三号室に於いて、その洗面所の鏡の前。別名は水回りスペースとも云うけど、浴室、トイレット……やはり洗面所で、そこの鏡の前。


 視線は移り変わったけど、


 瞬間的なもので、また此処に戻る。僕の実のお父さん……新一しんいちさんの目の当たり。


「やあ、おはよう」


 と、笑顔で声をかけてくれる新一さん。……ええっと、そうだね、と、茫然というのだろうか? 頭の中が真っ白、テンパった。それでもって『パーン!』という気持ちの良い効果音。梨花が僕の背中を押す……ではなくて、僕の背中を叩いた。



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