エッセイ集。参

あくまで私自身の価値観や頭の中で考えてる事ですので、多めに見ていただけると有難い限りです。


5…反省文


君から届いた手紙…

そこには大切な人を大切に出来なくなったと書かれていた。

読んだ当時は「そうか」とただ思っていた…

しかし、今になって思えば君を大切に出来なくなっていたのは俺の方だったかもしれない。

一つ一つのことを思い出せば君より俺がわがままだったし、最初よりもよっぽど気持ちをあなたに捧げることが出来ていなかった気もする。

君の方が俺のことをよく見ていてくれていたし、心配だってしてくれていたのに、

俺は何も気づけていなかった。

無くなってから気づくものほど本当に大切でかけがえのないものだと…

今となってはこの思いをつづって君におくりとどけることも出来ないだろう。

「本当にごめん。」と言葉を結んで反省文として心に書き留めて置くことにした。


6…願い


誰しも叶う叶わないは別として願いは持っているのではないだろうか…

現実的なもの、馬鹿げたもの、

なんにせよ人間はそんなことをいつまでも願っている…

当たり前だろう。自分の思い通りに行かないのがこの世の常なんだから…

願っている全てが叶う世の中だったらそれはもう一人一人が独立した世界を作っているくらいしかありえない話になる。

私はある意味願いが叶わないくらいの方が人間らしくて好きだ。

一つ一つの小さな幸せに喜んで失敗に落ち込み人の弱さを、儚さを感じる…そんな所が正直人間にしかできなくて美しいと思えるところだと思う。

急になるが皆様方はもし一つだけ願いが叶うとしたらどんなことを願うだろう。様々な願いから一つだけ抽出するという作業は大変だろうが、

いくらでも妄想が膨らむし最高に楽しいことだろう。何より私もそんなふうに考えるのが好きだ。

大変恐縮だが少しだけ私の話を聞いて欲しい。

もし私の願いが一つだけ願いが叶うとしたら…

日常であればきっと皆様方と同じような願いを考えるだろう。

大量のお金が欲しい。なにかの能力が欲しい。死んだ誰かともう一度会いたい。

などなど様々なことを考えつくだろう。

だが…2月20日…

今日だけは少し願うものが違う。

「ちょうど1年前の2月20日からやり直したい。」

これに尽きるのである。

こんなことを言うのはなかなか珍しいだろう。

なにか特別な事があったのかと疑問に思うだろう。

正直なところ皆様方に誇れるような大きな出来事は何一つ起こってなどいない。

いつも通りの毎日を過ごしていた中の一日だ。

だけど私にとっては1つの大きな出来事だったのかもしれない。

ある人と話を交わすようになった…正直に言えばただそれだけが起こった日だった…

その後どんな過程を経てどんな結末を辿ったのかを私は知っている。

だからこそもう一度だけでいいから

「1年前の2月20日からやり直したい」

間違いなく不可能なことだろう。

なんてくだらない願いことを言ってるんだと私でも思う…

だが今日だけはこんな戯言を許して欲しい。

留めていたらおかしくなってしまいそうだから。

そんな願いを妄想し携えながらまた変わらない日常を私は歩んでいく。

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