そして、どうする!? 谷津さん!
「突然、出てこられたら怖いわよ! 化け猫なんだから、ちょっとは気ぃ遣いなさいよ!」
驚き過ぎて、心臓バクバクの谷津さんは叫んだ。
カケヨメ「あれ、谷津さん、久しぶりに私が出てきて、喜んでます?」
谷津「ち、違うわよ。ビックリしてドキドキしてるだけよ」
カ「いえね、なんか呼ばれたような気がして来てみたら、お一人で何かブツブツ言ってたので、ジャマしちゃいけないと思いまして、待ってたんですよ」
谷「なによ、アンタ、全部盗み聞きしてたっての!?」
カ「盗み聞きとは人聞きの悪い。気を使って待ってただけなのに」
谷「んもぅ、どうして仕事してる時ばっかり出てくるのよ」
カ「そういう時じゃないと、呼んでくれないじゃないですか」
谷「私は、呼・ん・で・な・い! 一度も呼んでない!!」
カ「まあ、それはどうでもいいんですけど、進捗状況はどうですか?」
谷「見てわからない? 遅れてるから残業してるんだけど?」
カ「仕事じゃないですよ。あっちの方ですよ、ほら、ゾロ目企画の第二弾!!」
谷「ゾロ目企画? なによ、それ、知らないわよ、そんなの」
カ「相変わらず、かわいくないですね〜」
谷「相変わらず、って……失礼ね! ついこの前までかわいかったわよ」
カ「うわ、これだから、トシ取るとイヤなんですよ。”ついこの前”って、20年くらい前のこと平気で言いますからね〜」
谷「アンタ、ほんと、ケンカしか売るもんないの!? どうせ売りに来るなら、もっといいもの持ってきなさいよね、牛肉とか、メロンとか、ウニとかカニとかイクラとか、いろいろあるでしょ」
カ「え。持ってきたら、買ってくれるんですか?」
谷「ボ、ボーナス出たばっかりだったら、買うわよ」
カ「そんなんよりよっぽど、私、プライスレスないいもの持ってきてるじゃないですか〜! こうやって、自主企画の情報を!!」
谷「はぁ〜っ。。。相も変わらず、どうでもいいことを盛り盛り盛って推してくるよね。しかも、またゾロ目企画って……」
カ「いいですか、谷津さん、今度こそですよ! 今度こそ!!」
谷「何がよ。もういいわよ、そんなの。もうちょっと仕事するから、とっとと消えてくれる?」
カ「これを言わなくて、帰れましょうか! これぞ、年に一度の猫の日企画!! あいるにゃん様の飼い主であられるあいるさん達ての希望で、前回企画の共同主催者だったこげにくさんがまた立ち上げてくれたんです!! 今度こそなんです! 2月22日の猫の日に、みんなで短編を投稿しましょうって! もうすでに、全米が泣いてます!」
谷「なんでよ。アメリカに猫の日とかないじゃん」
カ「そんなことはいいんです! 全世界が感動、なんです!! きっと、皆さん、すばらしい猫の話をたくさん投稿してくれるでしょう♪ もう想像するだけで、私は胸がいっぱいです」
谷「あのさ、アンタ、時々ちょっと情報に思い込み入り過ぎじゃない? この前の感じだと、また猫の日は関係ないんじゃないの?」
カ「え!? この前の感じ? てことは、谷津さん、この前の参加作品、読んだってことですか?」
谷「え!? あ、いや、読んでない読んでない。ただちょっと、アンタがちゃんと2日に予約投稿したか確かめてあげただけよ。全然、読んではないわよ」
カ「でも、さっきブツブツ言ってたのって、あいるさんの作品の10質じゃあ、なかったでしたっけ?」
谷「あぁ…あ、うん、そこだけちょっとね。って、やっぱり聞いてたんか!!」
カ「聞いてません、聞こえちゃっただけです。で? 今ごろその10質を見に行ったってことは、実は今度の企画、参加する気満々だったりして?」
谷「ははは。んなわけないでしょう? 知りもしなかったんだから」
カ「へぇ、そうですかそうですか。それは残念なこってすね。先ごろ、あいるにゃん様が病いに倒れられて、私もずいぶん心配してお見舞いなど持って通ってたんですけどね、今はずいぶんよくなられたということで、心からホッとしたところで、やっとここにも来られたわけなんですけど……今回、あいるにゃん様の快気祝いも兼ねて、ぜひとも皆さんでこの猫の日企画を、前回にも増して盛り上げて行こうじゃないかとがんばっている時に……猫好きを標榜する谷津さん、参加せず……と。なんとまぁ、猫好きの風上にも置けない! くぅ〜っ、嘆かわしいっっ!!」
谷「だ・か・らぁ、猫の日企画じゃなくて、ゾロ目企画でしょぉ!?」
カ「あれれ? やけに詳しいじゃぁ、にゃいですか??」
谷「あのね、突然、猫っぽくするの、やめてくれる? さっき、アンタがタイトル言ったんじゃないの。私、物覚えはいいのよ」
カ「じゃあ、覚えていただいたところで、ぜひ! 参加しましょうよ!! そうすれば、いつも閑散としてる谷津さんのほかの作品だって、もっと読んでいただけるかもしれませんよ? 保証はできませんけど」
谷「どうせなら、保証しなさいよ。ただ情報だけ持って来るなら、誰だってできるんだから」
カ「いや、その、私は自分でPVを増やして差し上げることだけはできるんですけどね、ほかの方とはお会いすることもままなりませんで。。。」
谷「何よ、使えないわねっ」
カ「まあ、そうおっしゃるんでしたら、しかたないですね……かくなるうえは……」
谷「ちょ、ちょっと待って! アンタ、また、これを録音してて文字起こしするとか言うんじゃないでしょうね!?」
カ「あら、バレました? てか、どうします? わたくしめが文字起こしするか、谷津さんが短編を書くか、どっちかしか選べませんけど?」
谷「んもーーーっ! なんでそうなるのよ!!」
カ「前回も、ご自分が投稿したわけじゃないとは言え、恥ずかしかったでしょ? 皆さんがあんなにすばらしい短編を出してる中、クッダラないナゾの妄想女子ナンチャラって……ぷぷぷ」
谷「アンタ、究極のS体質ね」
カ「こりゃまた、お誉めにあずかりまして……」
谷「いや、1ミリも褒めてないから。確かに、面が割れてないとは言え、ものすごい辱めを受けた気分だったわ。。。そうよ、アンタ、仮名にするとか言ったのに、本名で出してたじゃないの!! だからよけいに……」
カ「あ、そこは、だって、ユーザー名の方が仮名みたいなもんなんだから、むしろ本名で出しといた方が素性がバレないかと。そもそも、知り合いでカクヨムしてる人なんています?」
谷「知らないわよ、知り合いも少ないし。。。」
カ「ですよね〜。というわけで、私も忙しいんでそろそろ行きますけど、文字起こしがイヤだったら、お願いしますよ、た・ん・ぺ・ん!」
谷「くーーーっ! どうしてこんな目に遭うのよ、私ばっかり!! 長編の更新で忙しいってのに!」
カ「そんなに誰も読んでないですし、そっちはしばしお休みしてですね、まだビミョーに時間もありますから、まぁ、がんばってください……あ、ぜひぜひ、猫の日企画ってことで、あいるにゃん様のご期待に添うようなものをお願いしますね!! くれぐれも1万文字以内で。それと、性描写はNGですからねっ!」
谷「だから、猫の日じゃなくて、ゾロ目企画だって言ってんでしょ!? って、あらっ!? もう消えてるし…まったく逃げ足の速い化け猫め。。。」
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というわけで、谷津さんの残業の日々は、その後もうちょっと続くことになった、らしい。。。
***
ちなみに、このエピソード回は、谷津さんが企画に参加しなかった時のための保険として、カケヨメが2月18日深夜の会話の文字起こしをして予約投稿したものである。
が、時間を間違えて2時22分に設定したため、いま現在公開されてしまっている模様。カケヨメが間違いに気づく前に誰かが読んでしまったら、おそらく引っ込めるわけにいかなくなるだろう。
そして、谷津さんがこれを知ったら。。。(合掌)
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