令和2年2月22日22時22分に投稿しようの巻

妄想女子:経理の谷津さん、リターンズ〜またまた残業中にこっそり。。。

 経理の谷津さんは、相変わらず、しょっちゅう一人で残業をしている。


 なぜか。


 いや、もうおわかりと思うので、あえて言及しないでおく。


 そんなわけで、今夜も絶賛残業中の谷津さん、何をしてるのやら。。。

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「あ〜ぁ、昼間にカクヨムすると、残業して仕事しなくちゃならないし、昼間ふつうに仕事すると、カク時間がないし」


 目下、これが谷津さんの一番の悩みである。

 谷津さんはパソコンを持ってないのだ。家に帰ってから作品を書こうとすると、スマホで書くしかないのだが、ビミョーにあまり若いとも言えない谷津さんにとって、スマホで長文を書くのはラクなことではなかった。なので、いきおい会社でやることになる。


 今日も昼間、ほかの社員の目を盗みながら自己満足な作品を更新し、こうして夜に一人残って経理の仕事をしている。もういい時間だし、そろそろ飽きてきた。


「そういえば、最近、カケヨメが出てきてないわね。。。」


 前回、猫の精霊を自称するカケヨメ——本人は気づいてないらしいが、おそらく谷津さんの妄想である——は、谷津さんをとある自主企画に参加させる使命を帯びて、残業中に乱入してきた。あれから、姿を見せていないということらしい。


「ま、その方がいいわ。仕事のジャマなだけだし、なんか、いろいろ見透かしてる風なところが気に入らないのよ、あの化け猫」


 本人の妄想だとしたら、ここまでの自覚のなさもどうかと思うが、さておき、谷津さんはあのあとこっそり、件の自主企画の参加作品を読んで回った。


「そうだ、いま思い出したけど、カケヨメが言ってた企画主のあいるさんが、『10の質問』みたいなのを出してたっけ。息抜きにやってみようかしら」


 まず、その作品に行ってみる。


「あら、みんな、コメント欄で回答してるわ。まあ、でも、うっかり私もそんなことをして、面が割れてもまずいわね。あの化け猫のせいで、誰とは言わずとも、私の恥ずかしいアレが作品として、ムリヤリ出ちゃってるわけだし」


 谷津さんは、自分ひとりでこっそりと10質をやってみることにした。


「えっと、まずは……

①カクヨムに登録して良かったか?


そうね、お話を書いてれば現実の厳しさから目を背けられるから、よかったと言えばよかったけど、そのせいで仕事が滞っちゃってるからなぁ……手放しでよかったとは言えないわね。


えっと、次は……

②自分の好きなトコ、嫌いなトコ?


どうかしら、好きなトコなんてあるかしら? 嫌いなトコ? 全部だわよ、全部。ずいぶん意地悪な質問ねっ。


で、次は……

③生まれ変わるなら男か女か?


そうね、ものすごい美女に生まれ変わって、今まで私をコケにしてきた(注:谷津さんはコケにされてきたのではなく、誰にも相手にされていない)ヤツらを散々弄んでポイしてやるわ。


④未来予想図を教えてください……だって?


未来? 未来?? 未来って何かしら。今日と変わらない明日しか見えないわ。こういうのって、どれくらい先のことを予想すればいいのかしら。

って、えっ!? まさか、ドリ○ムの未来予想図の歌詞を教えろってこと? ググってくださーい、だわよ、そんなの。


んで?

⑤これからもカクヨムを続けたいか?


このまま何も考えずにいたら、たぶん続けてるんでしょうね。この筆が続く限りは……ってことだけど。そうよ、少ないけど、カクヨム友だちもいるにはいるのよ、こんな私にも。


おっと、なになに?

⑥性描写は好きか、って?


いやーね、好きに決まってるじゃないの。そうじゃなきゃ、どこで発散しろってのかしらね。年齢不詳独身女子をナメんじゃないわよっ。


⑦トマトと梅干しどちらか1つを選ぶとしたら?どっち?


あら、なんで私の好きなもの知ってんのかしら。選べないわよ、そんなの。なんで、選ばなくちゃならないのよ。どっちも食べるわよ、私はっ。

あ、そうね、朝はトマト、夜は梅干し。これでどうよ。


えーっっ

⑧神様はいますか、だって!?


どうして私にそんなこと訊くのかしら(注:谷津さんは100質などの趣旨をわかってないようである)。私は無宗教よ。神様がいたら、私がこんなふうになってるワケないじゃない。この世には、神も仏もいないのよっ。


⑨自分ってどんなヤツ?


こんなヤツよ。いや、ちょっと違うわね。こんなふうになっちゃった、と言った方がいいかしらね。昔はもっと……まあ、いいわ。誰に答えを見せるわけでもないんだし、詳しくはWEBで! なんちってね。。。


最後の質問は……

⑩いい加減やめてほしいこと?


誰にやめてほしいってことかしら。うちの部長にだったら、中川さん(注:若い女子社員)にセクハラまがいのことするのをやめろって言いたいわ。なんで私にはしないのに、あの子ばっかり。腹立つわ〜」


「いつもながら、ひねくれてますね〜〜!」


「うぁっっっっっっ、ビックリしたっっ!」


 谷津さんは、古びた事務用のイスから飛び上がった。


 声の主はカケヨメだった。

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