第6話 悶々とするミカ
マユリがあの下着のせいで苦労している同時刻。ミカは一睡も出来ず、目をギンギンとさせていた。まさかマユリがあの下着を買ってくれるとは思わなかったからだ。
何だかんだ言って、はぐらかされちゃうと思ってたのに・・・
あの後、悶々としながら家に帰ったミカは興奮を押さえることが出来なかった。自分の部屋に入るなり、身悶えしまくったのだ。身悶えしまくって、しまくってしまくって、あっという間に一夜が明けてしまったのである。
あああああ~、あの下着を身に付けた先輩が見たい~!
広い部屋の乱れたベットの上で一人、マユリのあられも無い姿を想像するミカ。ツーッと鼻血が垂れてきた。いやらしく開いた口からはヨダレも垂れている。とんでもない妄想をしているのだ。
えへへへっ。
先輩、何ですかぁ、そんな格好してぇ。
あたしのこと誘ってるんですかぁ。
もう、仕方ないですねぇ。
いいですよぉ。
あたしが先輩を、とっても気持ちよくさせてあげますねぇ🖤
その後・・・あたしのこともお願いしますぅ🖤
「げへへへ・・・」
可愛らしい少女の口から、下衆な声が発せられた。本当に恐ろしい子だ。
再び辛抱たまらなくなったミカは、布団に潜り、猫の抱き枕をぎゅ~と抱き締める。
マユリ先輩、マユリ先輩、マユリ先輩!
今のミカの思考の中にはマユリしかいなかった。一途な変態少女。妄想は留まることを知らない。
マユリ・・・せんぱい・・・
ああ・・・せんぱい・・・
ダメですぅ・・・そこは・・・
「お嬢様。朝食はどうなさいますか?」
きゃあっ!!!
心の中で悲鳴をあげるミカ。布団から顔だけを出すと、扉の前にメイドが立っているのが確認できた。
「ば、ばあや!え?い、いつからそこにいたの?」
アワアワするミカ。しかしメイドは至って冷静だ。
「お嬢様が下衆な笑いをした辺りからですかね。」
さらりと言う。
見る見る顔が赤く染まっていくミカ。
また見られた・・・
ミカの行為は、何度かこのメイドに見られていた。その都度、まるで見ていなかったかのような態度をとっていてくれているのだが、間違いなく見ているだろう。
は、恥ずかしいぃぃ~~
「どういたしますか?こちらで召し上がりますか?それとも・・・」
「い、いいよ。下に行くから。あと・・・10分位したら。」
取り敢えず、着替えの時間が欲しかった。身悶えしすぎてこんなに乱れてしまった格好を、さすがに父と母には見せられない。メイドの見ている前だが、急いで着替えをし始めるミカ。別に恥ずかしくはない。同姓だし、それにこのメイドは、幼少の頃からミカのお世話人でもあった。感覚的には親しい親戚のおばさんといったところだろう。
「では失礼いたします。どうぞお慌てにならないようにお越しください。もう旦那様と奥様は朝食をお取りになったので、ミカ様の分は別にご用意してあります。なので、ごゆっくり・・・」
そう言い残すと、メイドは軽く頭を下げ部屋を出ていく。まるで消化不良のミカを気遣ったかのように・・・
・・・お父様とお母様いないんだ・・・
・・・・・・
ガバッ!
後5分だけ!後5分だけ!!
着替えそっちのけで再度布団に潜り、悶え始めるミカ。
あああああ~、マユリ先輩~~~🖤
5分だけと言っておきながら、この後一時間程悶えまくるミカであった。
・・・・・・
お気づきだろうか。実はミカ、遊園地ほどの大きな敷地に自宅を持つ、かなりお金持ちの家のご令嬢なのだ。従って本来彼女は、私立のお嬢様学校に通わせられる予定だった。しかし、そこはさすがミカ。マユリに対する溢れんばかりの情熱を両親にぶつけ、説得し、何とか今の公立の高校に通う許可を得ることが出来たのだ。
・・・まあ説得と言っても、娘を溺愛している両親に、これぞとばかりに甘えまくっただけなのだが。
マユリと同じ高校での生活は始まったばかりだが、これから更に、今以上にミカはマユリにどっぷりとはまっていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます