冒険の書、ゲットだぜ。

冒険の書、ゲットだぜ。



 二次試験が終了した。

 カルシィたちの死や、

 あまりにも突然『試験が終了したこと』による困惑で、


 いろいろ、ごたごたあったが、

 『その辺』まで書いていくと先に進まないので、

 オールカットォ!!






 ★






 ――二次試験終了後、

 色々ごたごたあったあと、

 『三次試験開始が三日後』になると聞いたセンが、

 『はい、了解でーす』と帰路につこうとしたところで、


「177番。ちょっと待て」


 メービーから声をかけられた。



 ※ ほぼ100%の確率で忘れられていると思われるので、

   あらためて説明しましょう。

   彼は、一次試験と二次試験でともに試験官を務めた、フーマー最高峰の権力者。

   使徒のトップにしてフーマー最強の超人。

   第一使徒メービー。



「なんすか?」


「やはり、私の目に狂いはなかった」


「……はい?」


「中でのことは、誰に話を聞いてみても『さっぱり不明瞭』ゆえ『何があったか』はいまいち把握できておらんが……」


 ※ そもそも、MDワールドにはそういうアリア・ギアスが積まれている。


「しかし、事実、結果として、ぬしは『トップの成績』で二次試験を通過した」


「はぁ、まあ、そうですね……カジノでバカ勝ちして、ダンジョンでたまたま良質なアイテムを見つけただけですが、俺が一位だって事実に変わりはありません。俺こそが最強、俺こそが無敵!」


 試験終了後、委員会の者に聞かれた時にも、そう答えておいた。

 『蟻(あり)にダイアモンドの価値を理解させる努力』をするほどセンはヒマじゃない。


 ※ そもそも、『きちんと詳しい説明』はやろうとしても出来ない状態。


「もう、これほどの豪運を持つ俺は『最後まで試験を受けなくとも、冒険の書をもらっていいんじゃないか』とすら思う……そういう逸材ですよ、俺は」


 などと、モンジン的なノリでチョケていくセンに、

 メービーは、


「私もそう考えておる」


「……あ、そうすか。高く評価していただいて、あざーす。じゃあ、というわけで、失礼しまーす」


 そう言って、さっさと逃げようとするセンに、


「だから、こうして『ぬしの冒険の書』をもってきた」


 そんな言葉を投げかけるメービー。


 さすがにセンも、


「……へ」


 と、ガチで驚いた声をもらしてしまう。


 そんなセンに、メービーは、続けて、




「合格じゃ、177番。おめでとう」




「……ぇ、マジ……」


 メービーから冒険の書を受け取ったセンは、

 手の中におさまった冒険の書を見つめながら、



(本物……冒険の書、ゲット……じゃあ、いける? 扉の向こう……原初の世界……その深層……)



 ふつふつと沸き上がってくる歓喜を強制的に抑えこみながら、

 心の中で、そうつぶやいていると、メービーが、


「これで、ぬしは、もう試験を受ける必要などない。というわけで、明日、朝五時に、フーマー東方の霊山に集合じゃ」


「……は?」


「話は通しておくから、ぬしは、ただ、正午発フーマー行きの船に乗るだけでよい。ああ、当たり前の話じゃが、一応言っておこう。そこの女二人を連れてくるのは禁止じゃからの。修行に仲間も女も必要ない」


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