ソンキーの戦闘力と、センエースエンジンを併せ持つ、究極の神。

ソンキーの戦闘力と、センエースエンジンを併せ持つ、究極の神。


「究極超神化7!! 究極! 超神化! 7っっ!!」


 色々と試行錯誤しつつ、

 何度となくためしてみたが、


「だ……ダメだ……ムリくさい……なんでだ……下地は既に整っている。理屈は理解している。『条件はきっちりと満たしている』……今の俺なら間違いなく変身できるはずだ……なのに、どうして変身できない……なんで……どうして……」


 頭をかきむしりながら、

 うめき、顔を歪ませ、

 ――と、その途中で、


「ま、まさか!」


 ハっと顔を上げ、


「まさか、ピンチにならないと『働く気がしない』ってか? ……こ、このセンエースエンジンってヤツは、本当にポンコツだな!」


 などと、嘆いていると、

 そこで、


「どわぁあああ!!」


 豪速の右フックが目の前をかすめていった。

 なんとかスウェーで避けられたから良かったものの、もし回避できていなかったら、顔ごと魂魄を持っていかれていただろう。


「な、なにしてんだ、てめぇ! 待ってろ、っつったろ!!」


「お前は俺の敵なんだろ? 別に、ライバルでもなんでもない、ただの敵。だったら、『開く』のを黙って待ってなんかやらねぇよ」


 ここにいるのがソンキーやトウシなら待ってやる。

 必要なら、手伝いだってしてやろう。

 しかし、P2、テメーはダメだ。


「積みたきゃ、前提を整えな」


 ここまでは、P型センキーの行動に対し、『何かしらの罠か?』と警戒していたが、

 『本当に不具合が生じてパワーアップ出来ないだけ』なのであれば、

 もはや、後手にまわる理由は一つもない。


 センエースは一気に距離をつめて、

 P型センキーをボコボコにしようとする、

 ――が、


「っ……ナメてんじゃねぇぞ、負け犬がぁ! ソンキーより弱い程度のお前が、全運命最強の融合神『センキー』となった今の俺に勝てる訳ねぇだろ!」


 戦闘に集中すると、

 P型センキーは、ウソ偽りなく、とんでもない強さで、


「……っ」


「俺は! ソンキーの戦闘力と、センエースエンジンを併せ持つ、究極の神! 誰も超えることはできない、完全なる万物の王!」


 膨れ上がった力を、P型センキーは、巧みに操って、

 センエースを押し込んでいく。

 周囲に散乱する無数のジオメトリが派手に弾けて、世界に溶ける。

 まるで荘厳なオーケストラみたいに、互いのオーラと魔力が深い音を奏でる。



(確かに、ソンキーを彷彿とさせる、美しい強さ……しかし……)



 拳を交え合ってから数分が経過した時、

 センエースは、ニっと笑い、


「ソンキーよりは弱い」


「あん? だからどうした? 嬉しげに『指摘してやったぜ』みたいな顔をしているが、そんな事ぁ、こっちも重々理解してんだよ。いくら、スピリット・ファンクションの強制執行を使ったとしても、完璧なコピーなんか出来るわけねぇ。多少劣化するのは当たり前。だから、『P型センエース1号の戦闘データ』という『受け皿』が必要なんだろうが。そして、なにより、劣化した部分を補う携帯ドラゴンの存在! 俺の携帯ドラゴンには、コピーによる劣化を補って余りある底力がある。つまりだ! てめぇが俺より弱いって結果は何も変わらねぇ!」


「……まあ、そうだな。……うん、どうやら、確かに、『真・究極超神化6同士の闘い』では、お前が勝ちそうだ」

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