気持ちを置くだけ
黒田寛実
第1話
風が窓を打つ
カタカタ音は
何かの前触れ?
部屋にふたり
そわそわ男
もくもく女
男が開く
口を
沈黙を
心が開く
「あなたが好きです」
ぽんと置く「好き」
「それで?」
「それだけです」
箱を置く
置く
ぽん
(そこは付き合ってくださいとか続かないの?)
(それは必須でしょうか?
考えたんです。好きなのは確かです。
告った後の想像が「ない」です。
でも好きは言いたかった。
好きは置かずにいられなかった。)
(そんな告白、よくわからない。返事もしようがないじゃない。)
(ああ、確かにとんでもないことをした!これでしばらく話せない。いまさらになって恥ずかしい。帰ります。)
(ちょ、ちょっと。)
バタン
扉は閉ざされた
残った箱さん、な・あ・に?
純情?拗らせ?中二病?
牡の臭い?
恋の香り?
概念のにおい?
気持ちを置くだけ 黒田寛実 @otoronenayu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます