日々前へと進んでゆく日常生活。過去へと遡ってゆく追憶。
ある人を探し求めるショートストーリー。
なかなか出逢えないからくりが、日常のなかでほどけ、解ける。
そして改めて、過去へと思いを馳せながら、前へと進んでゆく。
現実と想念は、混ざりあう。きっと、またそれも生きる糧となって。
せつないスパイスが効いています。
多くの人が似たような体験を思い出すかもしれませんね。そこにおいて、また日常に追憶が混ざり合わされるのではないでしょうか?
探し求める人がどんな人なのか、読者の皆さまはどう思われますでしょうか?
そして、読者である我々にも、探し求める人がいるのではないでしょうか。
さりげない話の中にも、さまざまな人々の想いを呼び起こす、秀作だと思います。