第3話 ストレス少女。
「おはよ~」
また眠そうに夢斗が近づいてくる。
「おう、おはよ。何時に寝た?」
「昨日はー、7時?」
「なんで疑問形なんだよ」
いつもの工程をすましていく。
「それじゃぁーおやすみぃー」
「おう、おやすみ」
とまぁ、いつも通りの会話をして席に歩いていった。
学校ではほぼ喋らねぇからなぁ。寝てるから。
いつも通り、ホームルームが始まる。
相変わらず夢斗は寝ているが、先生は注意しない。
理由は簡単。いつもの事だし、実は夢斗。成績全国2位だ。
「──なんで、寝てるだけなのに勉強出来るんだよ、お前」って聞いた時なんか、
「んーー?睡眠学習ぅー?」だとか。
ムカつくが憎めない。クソっ!羨ましい!
寝てるだけで勉強出来るんだから!!
まぁ、それはおいといて、先生が話し始める。
「──おい、突然だが転校生の紹介をする」
「あっ.....」
俺は察する。今まで見たことなく、同じ制服だったあの少女。転校生なら納得がつく。
昨日の少女だと予想をする。
教室はザワザワしている。
──ガラガラガラ
扉を横にスライドさせて、小柄で少しボサボサな短髪をした少女が入ってくる。
──あの少女だ。
「ビンゴッ!」と俺は心の中で予想があったことと、少女についての辻褄があったことにガッツポーズをする。
「
昨日とは全く別の表情をして少女はニコッと笑った。
「まじか!俺の青春ありがとう!!」
「え?可愛くね?」
「まって、やばい!惚れた.....」
クラスのそういう男子達が騒いでいる。
1人の男を除いては.....。
「──まじか、あんなキャラかよ」
そう!俺だ。このキャラは予想外だった。あんな大量で大きいストレスを持っているにもかかわらず、明るい性格。
昨日のはなんだったのかと言うくらいの勢いだ。
──これは、意外だ。
性格の予想が見事に外れる。
俺の人判断機能が外れたのは初めてだ。
「まじかよ.....」
みんながちょうど沈黙した時に俺がそう呟き、瞬時にたくさんの目線が集まる。
「──あ」
もちろん、黒瀬千帆の目線も。
「あぁぁぁぁ!!!!」
黒瀬千帆の急な叫びに目線が移る。
お前ら大変だな。
「はぁぁ」
俺は頭に手を当てる。
「話があるから、放課後、時間つくっといてよね!そこの.....“小野宮”くん!」
元気に言うな。元気に.....。
みんなの目線が俺に集まる。今度は「どういう関係なんだ」という目だ。
特に男子のが痛い。
見るな。こっちを。軽く集団のいじめだぞ。
俺は無視して、少し前にいる夢斗の真似をして机に伏せる。
「グー、グー」
「おい、小野宮。そんなはっきり聞こえる寝息があるか」
先生が注意(?)をするが、無視をして俺は眠りにつくのであった。
──その後、すぐに起こされたが。
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