第13話 インベーダー・インベンター

「その、ホンワカパッパなネーミングは……わざとなの?」

「良い名だろう!? これの持つ機能にピッタリだと思うんだ! 我ながら、悪くないセンスだと思うんだ!」

 

 天然……? ニアピン過ぎる。

 機能の説明、一度聞いただけですんなり理解できたのにも頷ける。言われてみれば、どっかで見聞きしたようなアイテムだと思った……。

 


「あのさ、もしかしてなんだけど、さっき話してたUFOの……ナントカ迷彩?って機能とかも」

「そうだ! あのUFOはワタシが改良を加えて独自の機能を追加した特別製なんだ! 同化式迷彩も、投影式擬態も、ワタシが開発して付け加えた機能のひとつなんだ!」

 

 なるほど。イリアちゃん的にアレは地元でなく自分自身を褒められた形だったわけで。それだとあの反応にも納得だ。


 というか……イリアちゃん、何者? 5歳で件の猫型ロボットに迫る技術があったってこと? それがホントの話なら……とんでもないぞ。  

 


「イリアちゃん、すっごい発明家だったんだなぁ」

「!!」

 

 いや、それとも……宇宙人は皆が皆、一端の発明家だったりするとか……?

 だとしたら、マジ宇宙ってヤバイ(語彙死亡)。

 


「フフッ、フフフ! あとな、ええとな、他にもワタシが発明したものはなっ、まだまだ色々あってだなっ……!」

 

 わたわたニヨニヨと忙しなく、再び鞄……異次元ポシェットさんに手を突っ込んで、ガサリゴソリと漁りだすイリアちゃん。

 


「そうだ! これだっ、これを見てほしい!」

「あっ、それって」

 

 一度見たやつ。出会ってすぐの時にイキナリ唐突に飲み出した……10秒チャージのパックゼリー飲料みたいなアレだ。

 

「これはな、飲むだけでワタシの母星の言語と地球の日本語を関連付けた電子情報として脳に直接刻むことができるんだ。つまり結果として、聞いた日本語は自然と理解できるようになり、同様に日本語を母星語のような感覚で話せるようになるんだ!」

「へえー……」

 

 すごい。いや、すごいんだけど……。

 これもなんか、知ってるぞ。確か、こんなアイテムもあった。

 


「名付けて……! 『ほんやくゼリー』だ!」

 


 わざとやってない?

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