第1話 ホテルのバー

 ホテルは北のお洒落な地区…。ガウディが設計した建物の一つであるカサ・ミラの斜向かいのホテルにしてみた。


 私はこのホテルを選べたことがこの旅行を完璧にしたと自惚れている。それ程にこのホテルは最高だった。スタッフも親切で丁寧な接客をしてくれるし食事も美味しい。そして何より屋上に造られたバースペースが素晴らしかった。


 夜、このバーでホテルの屋上から外を眺めると眼前にはライトアップされたカサ・ミラが姿を現す。私には直線を使わないことが特徴の一つと聞くモデルニスモ建築の芸術性はいま一つ理解できない。しかし夜の闇に浮かび上がるカサ・ミラは住人もいる現役のアパートだというのに一つのオブジェとしてとても美しいと素直に思った。

 そしてそんなカサ・ミラを左に眺めながら視線を街の向こうへ向けるとライトアップされたガウディによるもう一つの作品が見えてくる。そう白く浮き上がるサグラダ・ファミリアがそこにはあった。


 ライトアップされたバルセロナを代表する建築物二つを眺めながら嗜むスペインワインの素晴らしさ…。きっとこういう優雅な時間を得られるのも旅の醍醐味と言えるのだろう。

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