第5話 三日目の朝食でパリの心を感じてみる

 三日目の朝食はどうしようか…。

 朝の九時、そうだ!

 ちゃっちゃと着替えて外出。ハムとバターをラファイエットのグルメ館の地下食品売り場で購入する。混んでいるブランジュリーを見つけてバゲットも購入。

 ハムはジャンボン・ド・パリというどこでも手に入る普通のハム。だけど日本と比べてかなり旨い。

 バターはボルディエの海藻バターを買ってきた。二〇一九年に日本で買うと二千円はするだろう。現地の貨幣価値の感覚では三百円程か…。輸入って高くなるってことを再認識する瞬間である。

 さてさて、手元にあるのは、バゲット、ハム、バター。簡単なものばかりだが素材は結構厳選している。これで作ることができるもの。


 そうジャンボン・ブールです。


 ジャンボンがハム。ブールがバターのことを指している。パリであればどこでも食べれる料理。そしてこの料理こそがパリ人の魂と言われる。


 旨い料理を最高のレストランで食べるのは間違いなく最高の体験である。しかし、パリの街を歩き回り集めた食材で楽しむのもまた一興。その第一弾としてパリ人の魂であるジャンボン・ブールを選ぶ。これもまた旅の楽しみなのだ。

 バゲットの横に切れ込みを入れそこにバターを塗りこむ。バターはケチってはいけない。ちなみこの海藻バターは醗酵バターなのでそう簡単には解けない。上下にバターを塗ったその間にジャンボン…、すなわちハムを挟み込もう。

 さあ出来上がったらかぶりつくだけでOKだ。君の眼前にもパリの味が広がることだろう。

 たまにはシンプルな食事も悪くはない。

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