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第0話 馬鹿な先輩との出会い方」への応援コメント

  •  こんにちは。
     先日は、文章校正のことを肯定的に受け止めていただけで嬉しかったです。
     ありがとうございます。

     本作では先輩と後輩の名前が明らかになり、出会った頃が描かれたということで、今後この物語がどういう味わいを見せてくれるのか楽しみです。
     個人的に興味があるのは、「短編から長編に練り直されたとき、この物語はどこに向かっていくのだろう」ということです。
     物語の多くには何かしらの葛藤や対立軸があるものですし、特に長編となれば、登場人物たちがそれに向かって動いていくような何かしらの目標があり、それが一応の軸となっていることが多いように思います。『涼宮ハルヒ』であれば、ハルヒを中心として起こる騒動をキョンや古泉が解決するのが物語における目標です。『五等分の花嫁』はもちろん分類上はラブコメですが、主人公(風太郎)の目標は恋愛ではなく劣等生の五つ子に及第点を取らせることにあります。『名探偵コナン』なら事件を解決すること、『僕は友達が少ない』なら友達を作ること、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』ならモテる女子高生になること、『映像研には手を出すな』ならアニメーションを作ることが物語の軸です。もちろん、『サザエさん』や『女子高生の無駄づかい』、『アホガール』などのように、ただ日常が描かれているだけに見えるものもありますが、その場合は季節ごとの行事や現代日本の流行を取り上げたり、新たなキャラクターを登場させたりしてテコ入れをしています。
     本作『あまり頭が良くない文系の本好きで(略)』の場合も、短編の頃はラブストーリーというより先輩の個性や勢い、後輩との関係が描かれる物語でしたが、長編(あるいは連作短編)となると勢いや新鮮さだけでは完走できないでしょうから、後輩くんの恋愛にせよ読書にせよ部誌の作成にせよ、登場人物たちが目指すゴールが何かしら設定されるか、新たなキャラクターが登場することになるのだろうと予想しています。僕個人が思うには、アニメ化もされた漫画『バーナード嬢曰く』のように、登場人物たちが本やラノベ、漫画、アニメなどについて意見をぶつけ合うのが軸の話でも、この先輩(と後輩)なら面白くなりそうな気がします。色々可能性があって、今後が楽しみです。


     さて、以下、細かいところについて失礼します。
     1ヶ所だけですが、本文に入る前のあらすじに気になるところがあったので、まずはそこから書いていきます。

    <あらすじ>

    後輩の台詞「……何を、僕をジロジロと黙って見てるんですか」
    →「……どうして黙って僕をジロジロと見てるんですか」

    0話 出会い

    先輩の台詞「いやーね、今年の文芸部に入った部員が蓮くん一人だったなー、と思って」
    →「今年文芸部に入った部員は」あるいは「今年の新入部員は」。また「蓮くん一人(だけ)だったなー、と思って」

    後輩の台詞「何か一人だと不味いんですか?」
    →(「何か」を移動させ)「一人だと何か不味いんですか?」

     ちなみに、現在は5月初頭。
    →「ちなみに、季節は5月初頭」
     全体的に過去形が多用されている作品ですし、あらすじにも「この作品は、高校生二年の私と後輩で一年生の二人が、文芸部として学校生活をどう生き抜いたのかを書き記した物語である」、つまり回想録だと書いてあるので、地の文で「現在」とは言わない方が良いと思います。

     私は、蓮くんがこちらを見るまで上を向いたまま無言で目線を蓮くんに向けた。
    →「私は顔を上に向けたまま、蓮くんがこちらを見るまで横目で蓮くんの様子を窺った」

     さすがの先輩が真剣に悩んでる姿を見て、蓮くんは読んでいた本を置いて私の方を向いてくれた。
    →「さすがに先輩が」

     蓮くんは、聞こえなかったのか聞き返してきたので私は声高にもう一度答えた。
    →(「蓮くんは、聞こえなかったのか」を削り)「蓮くんが聞き返してきたので、私は声高にもう一度答えた」

     なんか、蓮くんがすごい私のこと見てひいてるだけどどうして?
    →「ひいてるんだけど」
     原文だと「ん」が抜けています。

    「……どうして部費がほしいですか?」
    →「……どうして部費がほしいんですか?」
     これも「ん」が抜けています。

     ……あ、蓮くんが読んでいた本を取ってまた読む始めた。
    →「……あ、蓮くんがまた本を読み始めた」

     後輩の会話は、相変わらず豪速球だ。
    →「蓮くんの発言は、相変わらず豪速球だ」

    後輩の台詞「なんの関係があるんですか、僕がその本に!」
    →「何の関係が」。また「僕とその本に!」
     原文「なんの」を漢字にしたのは単に見栄えの問題です。

    先輩の台詞「……だって私、今月のお小遣いつかちゃったもん」
    →「使っちゃったもん」
     これも見栄えの問題ですね。

    後輩の台詞「もぅこっちに来ないでくださいよ! 今僕は本を読んでるですから!」
    →「今僕は本を読んでるんですから!」
     「ん」が抜けているだけです。

     さらに、蓮くんの顔が赤くなった。
    →(「さらに、」を移動させ)「蓮くんの顔がさらに赤くなった」
     「さらに」は文と文をつなぐ接続詞にもなり、何に何の情報を追加しているか紛らわしいので、分かりやすくするために順番を変えました。

    私は、一つ後輩の弱点を見つけたのかも知れない!
    →「私は、後輩の弱点を一つ見つけたのかも知れない!」

     ふと、私は蓮くんが読んでいる小説に目線が向かった。
    →「ふと、私は蓮くんが読んでいる小説に目を向けた」

    先輩の台詞「今出てる最新刊まで読んでるだけど――」
    →「今出てる最新刊まで読んでるんだけど――」

    先輩の台詞「――まさか、主人公に隠された秘密の力があったのがびっくりしたよ!」
    →「――まさか、主人公に隠された(秘密の)力があったなんてびっくりしたよ!」

    「ただの凡人って書いてあったから何の能力もないと思っていたけど、相手の能力をコピーする能力を主人公が持ってるとは私は思わなかったよ!」
    →「相手の能力をコピーする能力を持ってるとは思わなかった!」
     「思った」「思わなかった」に対応する主語が明らかなので、「私は」と入れる必要はないと思います。また、直前の文が「びっくりしたよ」なので、この文も「よ」で終わらせると少しくどくなる気がしました。

     今度は、ジーっと私を見て……
    →「今度は、ジーッと私を見て……」

     やばいな、見るからに先輩としての威厳が蓮くんの中で下がっていくのが見るからにわかる!
    →「蓮くんの中で失墜しているのがわかる!」
     原文だと「見るからに」が1文中に2回出てきています。また、株や価値が下がるのは分かりますが、威厳は損なわれる、あるいは失墜するものではないかと思い、その点でも修正案を提示させていただきました。

     蓮くんは埋めた本からこちら見るようにして私に忠告してきた。
    →「蓮くんは本の陰からこちらを」

     ……まぁ、最初からあったのかは、謎だけども。
    →「……まぁ、最初からあったのか謎だけども」

     これがネタバレ二度目というのは、私と蓮くんが初めて会った時にすでに一回私がやらかしているからである。
    →「これがネタバレ二度目というのは、蓮くんと(出)会って間もない頃にすでに一回やらかしているからである」
     ネタバレしたのが先輩(=「私」)であることは文脈から明らかなので、「私と」「私が」は削って良いと思います。また、「初めて会った時」としてしまうと「初めて会ったその日」と同じ意味になってしまいますが、どうやらそうではなさそうなので、修正案では「出会って間もない頃」としました。

     そんな中、私は部室で一人待っていると一人だけ文芸部に入ってくれるという人物がやって来た。
    →「そんな中、私が部室で一人待っていると、文芸部に入ってくれるという人物が一人だけやって来た」
     「文芸部に入ってくれるという人物」の部分は「入部希望の子」といった言い方にしても良いと思います。

     これが、蓮くんだった。
    →「それが蓮くんだった」

     ずっと、変な汗は出っぱなしだったけどなんとか仲良くなろうと私は試行錯誤した。
    →「ずっと、変な汗が出っぱなしだったけど、なんとか仲良くなろうと私は試行錯誤した」
     「変な汗は」ではなく「変な汗が」、あとは文が長いので「、」を打つことをお勧めする、というだけの話ですね。

     けど、後輩である蓮くんの返事は呆気なく、私の話に対しては素っ気ない態度をとっていた。
    →(a)「けど、蓮くんの返事は味気なく、私に対する態度は素っ気なかった」あるいは(b)「けど、蓮くんは(私に対して)素っ気ない態度をとっていた」あるいは(c)「けど、蓮くんは素っ気なかった」
     辞書によると「呆気ない」は「意外に簡単でものたりない感じだ。はりあいがない」なので、これだけ読むと間違いとも言い切れないのですが、「呆気ない幕切れ」「呆気なく負ける」ということは言えても「返事が呆気ない」「呆気ない返事」という言い方をするのか疑問だったので、修正案(a)では、やや古風らしいですが、「味気ない」(物事にあじわいが感じられず、つまらない。おもしろみがない)を使いました。※同じ文に「素っ気ない態度」とあるので、重複を避けるため、「返事は素っ気なく」とするのはやめました。
     返事が味気ないのと態度が素っ気ないのは、情報としては重複しているので、削ってコンパクトにするなら(b)(c)のようになると思います。

     そんな蓮くんの態度に私の心情はさらに焦った。
    →「そんな蓮くん(の態度)に私はさらに焦った」
     改善点として挙げた直前の部分で「態度」という語を持ち出しているなら、ここでもう一度その語を出すと少々くどくなる気がします。
     また、「焦った」の主体は心情ではなく私なので、原文の「心情」は削って良いと思います。

     文芸部に入ろうと思って来てくれたのは蓮くんただ一人だけだったから、私はどうにか盛り上がる糸口を探した。
    →「私はどうにか場を盛り上げる糸口を探した」あるいは「私はどうにか話を盛り上げようとした」

     なので、私は調子に乗って私がその本について知ってことをすべて蓮くんに話したのだ。
    →「私は調子に乗って、私がその本について」。
     意味の区切りなので「、」を打つというだけの話です。

    ……結論からいうとそれがダメだった。
    →(「……結論からいうと」を削り)「それがダメだった」
     「結論から言うと」は、そのままでは結論が見えないときに言うものですが、本文では既に結論が見えているので、ここでそれを言う必要はないと思います。

     蓮くんは、ただアニメが好きで原作はどうかなと思って読んでるだけだったみたいで読んでる内容的にはまだまだ最初の方だった。
    →「蓮くんは、ただ気に入ったアニメの原作を読んでるだけだったみたいで、序盤の内容しか知らなかった」

     それなのに、私はその時も原作の最新刊の情報まで蓮くんに伝えてしまった……もちろん、アニメも最新刊まで放送はされていない。
    →「それなのに、私はその時も、原作の最新刊の内容まで蓮くんに話してしまった……もちろん、アニメはそんなところまで放送されていない」

     その時、空気は凍った。
    →「その時、空気が凍った」

     いやーあの時の私は大変焦ったね。見るからに、蓮くんの様子が変わったからバカな私でもわかる。
    →「いやーあの時は大変焦ったね。蓮くんの様子が見るからに変わったから、いくらバカな私でもわかった」
     「あの時」は確実に、過去を振り返っている表現なので、原文「バカな私でもわかる」も過去形の「わかった」にした方が良いと思います。

     それに私が答える度に、蓮くんがスマホで調べて確認していた」
    →(「それに」を削り)「剣幕に気圧された私が答える度に」。また「蓮くんはスマホで」
     修正案に「剣幕に気圧された」という文言をわざわざ入れたのは、先輩が自分の失敗を自覚して「焦った」ことが既に書かれているからです。単に尋ねられたからではなく、後輩の怒りに抵抗できなかったから質問に答えた、これが大事だと判断しました。

     それで、私が言っていることが合っているとわかると蓮くんとの会話はさらに沈黙した。
    →「それで、私が言っていることが合っているとわかると蓮くんは押し黙った」
     後輩が質問して先輩が答えている間は沈黙ではなく話し声が響いているはずなので、「さらに沈黙した」ではないと思います。

     すると、数分経ってからだろうか。蓮くんはそんな私の姿をしばらく眺めてこう言ったのだ。
    →「すると、数分経ってからだろうか。私の様子を眺めていた蓮くんがこう言ったのだ」

     気がつくと、蓮くんは困っている私を見て笑っていた。
    →(「気がつくと」を削り)「蓮くんは笑っていた」
     直前の「いやー大変不味いことをした」、「嫌な汗をかく」、「どうしようどうしようと思って」、「考え込んで座り込む」という部分から、先輩が「困っている」ことは分かるので、さすがにここでは削って良いと思います。

     それから、蓮くんはあまり気にしてないですよって言ってその日は帰って行った。
    →「それから、蓮くんは「別に気にしてないですよ」って言って帰っていった」あるいは、「それから蓮くんは、別に気にしてないですよって言って帰っていった」

     次の日は、絶対来てくれないと思った。
    →(「次の日は、」を削り)「もう絶対来てくれない、と思った」
     文脈的に、「次の日」限定で「絶対来てくれない」のではなく、次の日も含めて今後一切「来てくれない」、と思ったという話でしょう。

     明らかに、昨日は失敗したと私は思っていたから尚更である。
    →(「明らかに、」を移動させ)「昨日は明らかに失敗だったのに。」(「と私は思っていたから尚更である」を削る)、あるいは(「明らかに、」を削り)「昨日あれだけ盛大に失敗したのに。」(「と私は思っていたから尚更である」を削る)
     「~だから尚更である」は、他にも何かがあった上で疑問を上乗せする表現です。たとえば、「『他の部活も見学に行きたい』と言っていた彼がどうして今日もここにいるのか、私は疑問に思った。昨日の私の部活紹介は明らかに失敗だったのだから、尚更である」なら、「~だから尚更である」という表現を使って問題ないと思います。というのも、この場合は、私の疑問の理由として「他の部下も見学に行きたいと言っていた(から)」がメインに挙げられていて、それに付け加える形で「昨日の私の部活紹介は(略)」と続いているからです。しかし、本作のこの箇所ではシンプルに「昨日失敗した」→「だから蓮くんは来ない」という関係であり、蓮くんが部室に来ない理由となる他の要素が明示されていないので、「尚更」ということにはならないと思います。

     すると、蓮くんは部室に入っていた私に向かってこう言った。
    →「すると、蓮くんは私に(向かって)こう言った」

     今、同じ言葉を蓮くんに聞いたら多分あの文庫本の角で私は叩かれるであろう。
    →「今、同じ言葉を蓮くんに投げかけたら、多分私は文庫本の角で叩かれるであろう」

     そのくらい、現在は仲良くはなっている気がする。
    →「そのくらい、現在は仲良くなっている気がする」
     「仲良くはなっている」は、「でも××というほどの関係にはなっていない(あるいは当初の目的である××は達成されていない)」という含みを持たせる表現ですが、この文脈ではその内容がはっきりしないので、単に「仲良くなっている」で良いと思います。

    後輩の台詞「――何をそんなに考え込んでるですか?」
    →「――何をそんなに考え込んでるんですか?」
     「ん」が抜けているだけです。

    後輩の台詞「先輩は、これでネタバレは二度目ですからね?」
    →「先輩のネタバレは、これで二度目ですからね?」

     蓮くんは、私のことをジーっと見た。
    →「蓮くんは、私のことをジーッと見た」

     私はその目線を逸らしつつ別の話題に変えた。
    →「私は目を逸らして話題を変えた」

     どうしたらこんなにストレートに物事を蓮くんは言えるのだろうか不思議でならない。
    →「どうしたらこんなにストレートに物を言えるのだろうか、不思議でならない」
     「物事」が「物」、明らかな動作主「蓮くんは」を削って、「、」を打つ、というだけの話ですね。

     私は、腕を組み頭を傾けて考え込んだ。
    →「私は腕を組み、頭を傾けて考え込んだ」
     これはわざわざ指摘するほどのことなのかちょっと微妙ですが、動詞が並立するので「、」を打った方が分かりやすい気がします。

     その言葉を蓮くんに言う前に私は案の定、蓮くんに文庫本の角で軽く叩かれた。
    →「その言葉を口にする前に、私は案の定」
     原文だと「蓮くんに」が2回出てきて少々くどい印象なので、修正案ではそれを避けてみました。


     今回は、修正案を提示しておきながらその理由についての解説を付けない箇所がいくつかあります。もちろん、あまり長くなってもいけないから削れるところは削ろう、解説がなくても大丈夫だろうと判断してのことですが、岡目八目、つまり自分の文章の欠点は自分では分かりにくいということがありますから、もしかすると分かりにくくなっているだけかもしれません。
     これらに関してだけでなくとも、何か誤字脱字や分かりにくいところがあるようでしたら遠慮なくおっしゃってください。その場合、このコメントに追記した上で、他の作品へのコメントでそのことをお知らせしようと考えています。

     長文失礼しました。

    作者からの返信

     返信が遅れてすみません! 気がついたらログインしないまま、今になってしまっていました……すみませんでした!!
     そして、今回もコメントありがとうございます!!

     今後の展開につきましては――お楽しみと言うことで! 少しでも話してしまうとネタバレするような気がするので(汗)
     
     誤字、脱字も報告ありがとうございます!  時間ができ次第、訂正させていただきます!

     追伸、短編版のレビューもありがとうございます!

    編集済