話の中身は時間にしたらほんの僅かの間の出来事ですが、楽しくクスッとできるものです。アレに対して皮肉を込めた作品ですが、良く仕上がっていて、物語として十分堪能できます。皆様も是非、御一読を。
登場人物が少なく、中身はシンプル。「お前もSFなんてやらずに今流行りの異世界転生で売り上げを伸ばせー!」「ええ~、そんなあ~」な残念女神さまがブラック企業で過労死するサラリーマンのごとく異世界に。活劇あり、ラブストーリーあり。楽しいなあ。皮肉もきいてて上出来の短編小説になっています。
読み易いのでスラスラと読み進めて行く中、語感の良さが光る作品!「エンドレス・ライブ」の杖や「グランディック・セイバー」(世界線物理事象防衛機構)、「ウンエイン」(上層界)、主人公「ビブリアス・リード」他、音読すると耳に残る語感。これが実に、心地良い!多分、作者の鋼鉄の羽蛍さんは、耳がいいんだと思う。固有名詞がすんなりと入ってくるので物語に集中でき、次を読みたい感覚が湧き上がってくる。これは、名作の予感!
転生された一般人を描く作品が多い中、数少ない転生させる側の視点、あまり見す事の出来ない視点て良いよね。まぁ、この神様じゃ、そう上手く事が運ばないんだろうけど…現在進行形で。といっても、メジャーじゃない視点から転生というジャンルを見る事の出来る作品である事に変わりはなく、転生させる側がどう考えながら、転生者達を見るのか…現地人の事をどう思っているのか、興味は尽きないね。