ラノベは自分の頭で周囲と同じように考えねばならない

 「自分の頭で考える」とは、大事な徳目である。

 周囲との同調が求められる日本社会でも、個人レベルでは自分の頭で考えていると思っていたい。

 ラノベでは、そんなジレンマをどう描くのか。


 それは簡単。

 「明るいライフスタイル」の人間が、誰よりも自分の頭で考えていると思えるような舞台や発言を用意すればいい。

 彼ら彼女らには個性を与える。

 その発言はどこかで聞いたことある言葉でもよい。

 実は世間の道徳を説いているだけでも、カッコよく描いてあげよう。

 よく検証したら、周囲と同じ考えに染まっているだけでも、個性豊かという幻想を崩してはならない。


 一方、「明るいライフスタイル」を懐疑する根暗は、「自分の頭で考えていない」ことにしなければならない。

 真に異議を唱える奴に個性なんかいらない。

 聞いたことない異論でも、ラノベに独創性なんかいらない。

 もしも、そんな暗い奴が主人公かヒロインだったら、みんなの前でしっかり懺悔させること。

 明るい性格だったら、多少異なる価値観を唱えさせてもよいが、暗い主人公にそんな自由を許してはならない。


 明るい人間は彼らに対して、どんなに言いたい放題してもいい。

 明るい人間は、こんな場面で誰よりも自由に振る舞う。


 そんな描写をする作者は、根暗な言葉をどうつくっているのだろう。

 気に入らない他人の文章をこっそり盗用しているのだろうか。

 だったら、遠慮なくボコボコにできるな。


 「学校の価値観」を疑っても、「明るい価値観」はゆめゆめ疑うな。


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