ラノベの悩みは大声に勝てない
悩みを解決するのは、ライトノベルならずともあらゆる物語の定番である。主人公も脇役もみな悩みを抱えている。
だが、ライトノベルのお悩み解決法は、いろいろな装いを凝らしても、根本ではきわめて一様である。以下の3つに悩みを解決する言葉は落ち着く。
大声を出せ。さすれば、悩みは解決する。
もっと働け。さすれば、悩みは解決する。
みんな、そんな悩みを抱えて生きているんだ。
ここから出てくる解決策は、その悩みがより軽減するよう促さない。最後の言葉から引き出される行動は、その悩みを軽減するのでなく、日常生活や生活規範を思考停止して継続することだ。
ここで「明るく前向き」な人間の行動は絶対に否定されない。暗い性格の主人公が、大声を出せる明るい脇役に悩みを相談するも、
「明るくなればいい」
の一言で一蹴され、明るく改造させられる過程を「成長」と呼ぶのが、ライトノベルの一大定型だ。主人公側が明るいサイドでもそれは同じ。暗いキャラ同士のやり取りでも、「明るく前向き」な価値観は絶対に否定されない。
正論をつきつけてやろう。
大声を出したら解決する悩みは、悩みに非ず。
大声を出せと言ったあやつは、決して自分の悩みを大声をもって解決しない。
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