ラノベ最大の主題「やる」に深みはない
ライトノベルに限らず、青少年レベルの娯楽で最大の主題は何かといえば、「やらない」を罰して「やる」を勧めることである。「やる」ために必要となるノウハウよりも遥かに重視されている。
「やる」を実りあるものにするにはどうすればよいか。少なくとも、「やらない」自分でないために「やる」を選択する程度なら、他人からみてその「やる」はちっとも大したものでない。
「やる」ためにお金と多大な手間がかかるなら、「やらない」選択の方が合理的だ。金銭で無料でも時間を費やさねばならない。「やる」コストを抑えねばならない。世界を巡る大旅行を「やらない」よりは「やる」程度の動機で始めてはならない。
他人を巻き込むなら、説得も必要だ。しかし、「やらない」ことへの恐怖を煽るだけで勧誘しても、まともな人材は誰一人やってこない。現実にやってみればすぐわかるだろう。
基本的にライトノベル等で説かれる「やる」は、この程度も考察されていない底の浅すぎる「やる」だ。「やる」キャラが「やらない」キャラを一方的に蹂躙することが最初から確定しているとみてよい。「やる」を決断するために客観的な計算は要らない世界だ。
高難度のゲームだったら、強いモンスターが空気を読まずに邪魔して、道理を無視して進んでくる無謀な「やる」を止めにくる。だが、それを支えるストーリーは、
「やる」無理が通って、「やらない」道理がぶっ飛ぶ
展開だ。ラノベなら、モンスターをプレイヤーとして打倒する汗も努力もいらない。「やる」が「やらない」に妥協する振りをするのは、弱みを聞き出すための奸計で、結局最後には「やる」が選択される。
ライトノベルが説く「やる」などその程度だ。
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