ラノベ若人の思い上がりはバイトしてると否定されない
社会を舐めている若者がいる。
自分は万能だと思い上がり、評論家気取りで何でも批判し、すべてを悟ったと思い込み、消費社会の文物を馬鹿にする。
ラノベでこうした高校生か大学生の若者が主人公の場合、その価値観は最後に全否定され、「思い上がって、社会を舐めるな」と屈服させられ、平凡に過ぎなくなった最後の姿を「成長した」ことにされる。
これがバイトしているとどうなるか。
バイトする者は、しない者より100倍以上つけあがって大人を舐めても、否定されるどころか、むしろ称賛される。
仕事のやり方を覚えて、手の抜き方を知り、弱気な正社員を心の底から馬鹿にする。
実施する気が無いのに、前向きに検討と挨拶する。
譲歩する気が無いのに、話を聞いてやる振りをする。
尊敬していた公園清掃の老人を低賃金の落伍者と蔑みだす。
自分は稼いでいるんだと言い張り、親や先生の禁令を無視する。
その日ネットで得た知識をずっと前から知っていたかのように偽装する。
バイトしない学校の友達を心の底から嘲り、自らクラス秩序を引き裂き、物心両面で平然と殴る。
宗教者よりも自分は禁欲していると言いながら、お菓子を食べる。
こうやって社会を舐め切り、親世代の忠告を聞かない。
しかし、ラノベである限り、思い上がっている彼らは注意されない。
何故なら、これを肯定するのがライトノベルのアイデンティティーだからだ。その姿を否定的に描写できないところに、ライトノベルが文学たりえない一大理由がある。
(ただし、バイト先の上司と仕事内容には絶対服従。そうしないと、社会を舐めてもいい免許が無くなる)
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