ラノベの正直は商人の嘘を暴けない

 正直こそ最大の善という。

 ラノベでそれが何よりも説かれる現場は、コンビニなどのバイト先だ。


 正直とは嘘をつかないことだ。

 つまり、「こんなの自分だったら買うもんか」という思いが、レジの前で表情に出ている事例こそ、正直といえるだろう。

 また、新入りの営業部員が商品を顧客に紹介する場面でもよい。


 そんな表情で売っても上手くいくまい。

 そこで、内面では要らないと思っていても、表情に出さないことが求められる。

 いわゆるセールストークと営業スマイルである。

 これこそ、商売の嘘である。

 労働現場で最初に叩き込まれる大嘘である。


 ライトノベルは、そんなスマイルを嘘つきと暴けるのか。

 暴けない。

 そこに疑問を抱く高学歴な地味キャラがたまに現れても、現場であっさり騙されるのがオチである。

 バイト批判と商業スマイルへの批判はラノベで冒してならない御法度である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る