ラノベのハレムはモテてないと書けない

 なんとかの憂鬱あたりをきっかけに、ライトノベルといえばハーレムというイメージが出来上がった。

 男子向けでは、1人の男主人公と1人の男友達以外の主要人物は、女ばかりという作品が大量に並んでいる。

 女子向けでも、女と女友達以外は男ばかりという世界がある。


 こうした作品はこの批評で語るのも厭らしいが、作品をより良いものにする確実な要素が一つある。

 それは、作者本人が多くの異性にモテていることだ。

 あるいは、男女比の極端に偏ったグループに少ない側で加わった経験だ。

 多くの異性との会話経験なくして、どうやって異性との話し合い場面をつくるのか。


 ハレム系のラノベ作家はモテない振りをしていても、実際はそんな経験を基にして、執筆していると思うべきだ。他作品から異性交流のネタを借用しても、100ページどころか10ページも話は続くまい。

 モテていない作者は、こうしたハレムを空想世界にも築けまい。

 築けたとしても、そこに多くの他人が読む価値は生じるまい。


 読者はモテていなくても、作者はきっとモテている。

 ハレムラノベのサイン会こそ、究極の恋愛格差社会である。

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