ラノベに韓国と台湾は登場しない

 日本のライトノベルは国境を超え、特に東アジアを中心に読まれている。

 カクヨムの運営元でラノベ市場を寡占するKADOKAWAは、台湾で子会社を経営し、ノウハウを伝えている。

 しかし、2020年に至るまで、日本のラノベは韓国や台湾を素材にすることはなかった。中華系の舞台や登場人物はあっても、韓国や台湾はない。

 台湾発で話題になったラノベ作品は、明白に日本式に影響されている設定でも、KADOKAWAで翻訳されない。


 両国へ声優が巡業しても、両国が作品の舞台にならないのは何故か。

 親日だという台湾も舞台にならないのは何故か。

 韓国や台湾はラノベの平均的読者層にとって、関心の範囲外と出版社が考えているからだ。

 韓台に関心を寄せる日本人は決して少なくないが、彼らは向こうのラノベを好まないと想定しているからだ。

 特に韓国はライバルである上に、政治上のリスクもある。

 台湾もやり方次第では、中国との軋轢を生みかねない。


 向こうから韓台舞台の作品を求められても応えられないラノベ業界は、どこまでも内向きだ。

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