ラノベの働き方改革では仕事が増えて賃金は上がらない
労働時間が減り、従業員が楽でき、顧客への恩恵が増えて、賃金も上がる改革を働き方改革と呼ぶ。
ライトノベルでもそんなことを掲げるものが増えた。
しかし、その内実は異なる。
サボりたい、楽したい、自分のやっている仕事はどうでもよいという感覚の主人公が、最後になると誰よりも熱心に働きたいと思うように「成長」するのが王道だ。
どうでもよいと思っていた仕事が社会にとっていかに大事なことだったかを知り、最後のほうで初期段階の自分のような奴をぶっ飛ばして勤勉に働くようになるストーリー。
その過程では、主人公が自分の意思で行った労働時間の増加が美化され、楽な働き方が明らかに苦しい働き方に変わったことが称賛される。会社の命令を素直に受け入れない生意気な若者から経営者にどこまでも従順なプロレタリアの誕生だ。
こうなれば会社は賃金を上げないどころか下げても何も問題ない。お金の流れにも敏感になった労働者は、先頭に立って売れないサービスを打ち切るだろう。ほぼ無人の店内にいた客は、不必要に大きな呼びかけ声と共に追っ払われた。
労働時間が増え、従業員の負担が増え、顧客へ与えるものが減り、賃金が下がる。
これぞ経営者に都合のよい働かせ方改革。
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