ー第九章~北の王からの招待状~



 夜の巡回を終えたフィーロとランスは部屋の中で大掛かりな準備を始めた。

 テーブルと椅子を隅に追いやり、空いたスペースに魔法陣の描かれた布を広げる。その中央、五芒星の頂点にフィーロは五つの掌サイズの石を置き、右手の手首をナイフで傷付け、そこから滴り落ちる血液を五芒星を取り巻く円を描くようにして垂らした。

 最後に、五芒星の中央に羽の紋章が描かれたタイピンを置いて魔法陣の外に出た。


「起きててくださいよ」

 祈るように呟いてから、右手を魔法陣の上に翳して呪文を唱え始めた。

「我は請う。遥かなりし都におわす我が師との対話を。我は願う。このタイピンのかつての主とのひと時の談笑を。さあ、届け届け、風に乗せ。我が血の盟約において風の精霊よ、我が声をかの者へ運び給え」


 フィーロの詠唱に従って、五芒星の頂点に置いた石たちが煌めきだし、それぞれを繋ぐように光の帯を伸ばし始める。やがて、室内に風が巻き起こり、窓に掛ったカーテンを激しく揺らす。中央に置かれたタイピンが淡く輝いて、まるで湖面に浮かび上がる影のように一人の人物の姿を浮かび上がらせた。


『こんな遅くに珍しいねフィーロ。君が通信魔術を使うなんて』

 ぼんやりと透けていてはっきりと姿は見えないが、現れたのは三十台半ばの男。緩やかにウェーブのかかった茶色の髪を無造作に結い、フィーロと同じ白い神父服を纏った人物。


「夜分にすみません。早急にお願いしたい事がありまして。ギルベルト所長」

 神妙な面持ちのフィーロにギルベルトはモノクルをを軽く持ち上げた。


『話を聞こう』

「この聖職者失踪事件は北のヴァンパイア王からの依頼だと初めに聞きましたが、彼の娘・エマ・フォン・バーレイグについての情報を頂けませんか?僕の記憶では北の王の娘にそのような名前の姫はいなかったように思うのですが...」

 フィーロの問いかけにギルベルトは目を細めて静観する。


「エマという娘の記録が教会の日誌の中にありました。しかし、年代からしてもし本当に実在しているなら、社交界でも名の知れた人物であっても可笑しくない。どういうことですか?」

 淡々と問いかけてくるフィーロの言葉にギルベルトは小さく息をつくと、ゆっくりと唇を持ち上げた。


『残念だけど、僕の口から真実を話す事は出来ない』

「それはつまり、教会内でかなりの機密事項という事ですね」

 退魔師の頂点に立つギルベルトはその立場上ある程度上の位にいる。その彼が話せないという事は、それなりに重要な人物だという事だ。


(それが分かっただけでも良しとしますか...)

 恐らく、これ以上はギルベルトに聞いても何も得られないと理解したフィーロは師匠に礼を言って通信を切ろうとする。


『僕の口からは話せないけど、北の王に直接聞きに行くといいよ』

 思わぬ助言にフィーロは目を疑った。

「北の王に?」

『そもそも、今回の依頼はあの方からだし。存外、聞いたら話してくれるかもよ』

「聞きに行けって...王の謁見には普通招待状が必要でしょう...持ってませんよ、そんなの」


『まあまあ、ダメもとで訊ねてみたら?そこから近いよ、あの方の城』

 そんな、ちょっとお使い行ってきてのノリで東西南北を統べる王の一角の居城に気軽に行けと言う上司の無茶ぶりにフィーロは困惑した。


「ギル...僕に政治的問題を起こせとか言ってませんよね...?」

『まさか、君の目的を知ってる私がどうして君を陥れる事を考えていると思うのかな?私は君の味方だよ』

「ですよね...じゃあ、そんな無茶ぶり...」


 目の前に見えている相手は投影の映像に過ぎないと分かっていながら、思わず上司を殴りたくなってフィーロは拳を握りしめる。


『もう少し待ってごらん。多分活路が開けるから』

 意味深な一言を言ってギルベルトはウィンクする。


『そうそう、フィーロ。次にこの魔術使う時は聖水にするんだよ?君が血を使った

 魔術が得意なのは承知だけど、自分の身体は大切にね』


 チラリとギルベルトの視線がフィーロの右手首に移る。今も血が滲む手首をギルベルトは悲しそうに見つめた。


「分かりました」


『うん。それじゃ、健闘を祈るよ』

 ひらひらと手を振るギルベルトの姿が残像となって消えて行く。やがて部屋にはフィーロとランスだけになり、静寂が戻ってきた。



 左手で右の手首に触れながらフィーロは深く息を吐く。

「活路はもう直ぐ開く...ですか」

 ギルベルトが告げた一言に引っ掛かりを覚えフィーロは眉を寄せる。


「結局、何も分からなかったな」

「仕方ありません。こうなったら直接依頼主に聞きに行くしか...」


 聞きに行くしかない。そう言いかけたフィーロの思考がぴたりと停止する。

 コンコン、と窓を叩く音が室内に響き、そちらに視線を向けると、窓の外には首に赤い宝石を嵌め込んだ白い小さな蛇が室内を覗いていた。


 コンコン、と。まるで窓を開けてと言っているような仕草に、ランスはゆっくりと窓辺に近づき、窓を片方だけ開けた。


 開いた隙間から、するすると一匹の白蛇が室内へ入ってくる。

 足元まで来た白蛇をフィーロが覗き込むと、白蛇は鎌首を持ち上げ、ちろちろと赤い舌を出した。


『フィーロ・フィロフェロイ・ストラウス殿。我が主・バーレイグ・フォン・ドレイクの命により書状をお届けに上がりました。どうぞお手をお出しください』


 フィーロの左右異なる瞳を見つめながら白蛇は淡々と口上を述べる。

 バーレイグの名にフィーロはまさかと思いながら膝を折り、白蛇の前に手を差し出した。


 白蛇がフィーロの掌の上に首を載せる。すると、首元に輝いていた赤い宝石が淡く光り出し、光が止むとそこには一通の書状が載っていた。


『主よりの書状。確かにお渡し致しました。それでは、失礼致します』

 するすると、身体をくねらせて器用に窓辺に上ると、白蛇は再び窓から外へ出て行った。

 あまりに突然の事にフィーロはキョトンと目を丸くする。


「バーレイグ・フォン・ドレイクからの書状...」

 手の中にある一通の書状を見下ろしフィーロはそれを裏返す。

 そこに押されたシーリングスタンプは二本の交差する槍に蛇の巻き付いた紋章。

 それは、北の王のドレイク一族が使う紋章だった。


「渡りに船とはこういう事を言うんですかね...」

 思わぬ誘いにフィーロは喜んでいいのか困惑すべきなのかでしばし思考を混乱させる羽目になった。



***



 そこは、一年の殆どを雪と氷に閉ざされた白闇の極地だった。

 万年雪の積もる針葉樹林の森をフィーロは足元を雪に取られながらランスと

 共に進んでいた。

 この先にはある人物が住まう城がある。


 フリーレンス山脈の中腹に位置する己場所は本来なら一介の退魔師である自分が立ち入るにはあまりに場違いな場所である。

 ヴェドゴニヤという魔族の立場を使えばそれも叶わなくはないのだが、身分上は近付くのも憚られる。


 だが、今回は向こうからきちんとした誘いがある。それに、事件解決にはどうしても北の王に会わなければならなかった。


「しかし...どんだけ山奥にあるんだ」

 慣れない雪道に足を取られながら、ランスは溜息をついた。


「昔から、北の王は四人のヴァンパイア王の中でも領地から出ない事で知られていました。他の王が自身の後継を自身の派閥や一族の実力者から選ぶのに対し、北の王は世襲制を貫いてきた一族です。他の王に比べて統治も安定していた理由にはこの雪深い山の中に根城を構えたのも起因しています。実力社会のヴァンパイアの中で世襲制を維持していくのに居城を隠す必要があったのかもしれません」

 ランスのぼやきにフィーロは淡々と答える。


「それゆえに、北の王の居城に近付くには今回のような招待状を受け取るなど、あちらが招いた者しか辿り着けない結界が張られています」

 白蛇が持ってきた書状を取り出してフィーロはそれをランスに見せる様に示す。


「そもそも、タイミング良すぎだろ。あれ」

「昨夜のはたまたまだったのか、所長が手を回したのか...政治的な絡みがありそうなので僕には見当がつきませんけどね」


 しかし、経緯はどうであれこれで真相に近づけるのなら、それはそれでいいのだ。

 今必要なのは過程ではなく、結果だからだ。



 朝から雪山を登り続けて三時間が経過した頃。二人は書状に同封されていた地形図の示す大滝へと辿り着いた。


「ここですね...」

 凍り付いた滝の対岸にある岩場に立ち、フィーロは大滝を見上げた。


「この滝の裏に道がある筈です。その先に王の居城があると記されていますね」

「滝の裏...あ、あの細い道か」

 岩場から滝の周囲を見渡したランスは、滝の脇に細い道を見つけて指さした。


「行ってみましょう」

 警戒をしつつもフィーロとランスは岩と岩の間に出来た今にも崩れてしまいそうな細い道を慎重に進む。


 すると、凍った滝の裏にぽかりと口を開けた空洞が現れた。

 荷物からランプを取り出し、火を点して更に二人は空洞の中を進む。

 滝の反対側。どれだけ歩いたのか分からない程の暗闇を抜けた先。視界が開けた途端。フィーロとランスは息を飲んだ。



 眼前に聳え立っていたのは、荘厳な物語に出て来るような氷で出来た城。

 五本もの特徴的な尖塔を持ち、青白く輝くそれは、王が住むに相応しい建築という名の芸術。


「凄いですね...」

 白い感嘆の息を零してフィーロは雪道を踏みしめながら城へと近づく。


 堀を挟んだ橋を渡り、細かな彫刻の施された五メートル程の扉の前へとやってきたフィーロは、懐から再び書状を取り出した。


「北のヴァンパイア王・バーレイグ・フォン・ドレイク様の招待に預かりフィーロ・フィロフェロイ・ストラウスとその従者、ランス・シュヴァルツ・ルーガルーただいま参上致しました」


 雪景色の中に清廉と声を響かせてフィーロは門へ呼びかける。

 すると、鈍い音を立てて門が内側に向かって開いた。

「行きましょう」

 ローブの裾を翻しフィーロはランスを従えて門の中へと吸い込まれた。


 雪と氷に覆われた庭園を抜け、居城の入口に辿り着くと、そこに一人の青年が立っていた。

 白髪に琥珀色の瞳の燕尾服を纏った青年はフィーロとランスに穏やかに微笑みかけた。


「ようこそおいで下さいました。フィーロ様。ランス殿。中で主がお待ちです」

 恭しく一礼をしてから青年はゆっくりと顔を上げた。

「貴方は...昨夜書状を届けてくれた白蛇殿ですね」

「え?そうなのか」

 フィーロが暴いた正体にランスは驚き、当の本人は静かに頷いた。


「来て下さると思っておりました。私はバーレイグ様にお仕えするサラマンダーのシルヴィオ・レノンと申します。以後お見知りおきを」

「...蛇の魔族なのにこんな寒い所で大丈夫なのか?」

「サラマンダーですので、多少は...」

 ランスの素朴な疑問にシルヴィオは苦笑交じりに答える。


「ささ、外は寒かったでしょう。どうぞ中へ。主が首を長くしてお待ちですので」

 促されフィーロとランスは城の中へと足を踏み入れた。


 氷で出来た城の外観とは異なり、城内は大理石の床に暗い色の絨毯が敷かれた廊下には、古今東西から集めた絵画やオブジェなどが並べられ、さながら美術館の様な雰囲気を醸し出していた。


 長い廊下を進み、城の二階にある応接室に二人は案内された。

 シルヴィオが扉をノックして中に声をかける。すると、扉の向こうからは重低音の声音が返ってきた。


「どうぞ」

 ゆっくりと、扉が手前に開かれ、応接室の中が露わになる。

 一呼吸おいて、フィーロとランスは応接室に入った。


(あれ...)

 その部屋に入ったとたん。不意にフィーロは既視感のような感覚を覚えて目を丸くした。

(なんだろう...ここ、知ってる気がする...)


 ぼんやりとそんなことを考えていると、声を掛けられた。

「フィーロ・フィロフェロイ・ストラウス」

「はい」

 僅かに上擦った声でフィーロは返事をする。


 その声の聞こえた先。応接用のソファに腰かけていたのは紫色髪をワックスで撫でつけた厳格な雰囲気を纏う男。その在位年月が王の中で一番長い為、時折“翁”と呼ばれるが、その見た目は壮年の武人といった様相だ。


 バーレイグ・フォン・ドレイク。四席ある王の座の一席を担う北の王。ヴァンパイア達を更に魔族を統べる男は真っ直ぐに訪問者を見つめた。


「この度はお招き頂きありがとうございます。お初にお目にかかります。聖天教会退魔師のフィーロ・フィロフェロイ・ストラウスにございます。ここれに控えるは、我が従者にしてサーヴァントのランス・シュヴァルツ・ルーガルー。以後お見知りおきを」


 胸の前に手を添え、フィーロとランスは王に対して最大の礼を尽くす。

 それに短く頷き、バーレイグはじっとフィーロを見つめてから、不意にぼそりと呟いた。


「...やはり生きていたか、緑の魔女め、小癪なことを...」


「え...」

 突然の呟きにフィーロはキョトンと目を見張る。

(緑の魔女...)


 彼が何故その呼称を口にしたのか疑問に思ったが、フィーロは咳払いをするバーレイグと向き合い、その疑問を一度脳内に押しやった。


「すまぬ。気にするな...さあ、入口に突っ立ていないでこちらへ来なさい」

 城の主に手招かれフィーロとランスはソファに近づくと、三人掛けの方へ腰を下ろした。


「外は寒かっただろう。今茶を入れる。おぬしは菓子は好きか?腹が減っておるならシルヴィオに何か作らせるぞ」

 腰を下ろすなり口早に色々聞かれてフィーロは困惑した。


(なんか、田舎に帰ってきた気分だな)

 厳格で知られる北の王がまるで実家に帰ってきた子供に聞くような事を聞いている。その光景をランスは内心苦笑しながら見守った。


「ありがとうございます」

 対応に困っているのかフィーロはなんとか礼だけを口にして頭を下げた。


 ソファに座って五分程してシルヴィオが装飾の施された台車を引き、応接室に入って来る。

「すまんな、下がって良いぞ」


 台車を受け取りバーレイグはシルヴィオを下がらせると、自らポットを取り、紅茶を注ぐ。


「ありがとうございます」

 王手ずからサーブしてくれたティーカップを受け取る。


 カップの縁に口を付け、注がれた紅茶を一口喉の奥へ流し込むと、雪道で冷えていた身体が内側から温まった行く。その感覚にフィーロとランスはホッと息をついた。




「さて、早速ですが閣下、お話を伺いたいのですが」

 紅茶を飲み干してフィーロはようやくここへ来た目的を果たす為に話題を切り出した。


「ツアーンラートの街で起こっている聖職者失踪事件。この事件の依頼は貴方からだと上司から聞きました。この事件の犯人...まさか、閣下では無いですよね」

 前置きをせず、単刀直入にフィーロはバーレイグへ問いかける。


 容赦のない問いかけにバーレイグは突然声を出した笑いだした。

「ははははあああ、まさか、私が疑われるとはな」

 額を押さえ、厳格な人物とは程遠い高らかな笑い声にフィーロとランスは驚く。

 ひとしきり笑った後、バーレイグは咳払いをして姿勢を正した。


「そうであったら簡単だったな。だが、残念だが私は関与はしていない。ましてや、犯人でもないよ。もし犯人ならわざわざ貴殿を招いたりなどせん」

「確かに...」

 バーレイグの言葉にフィーロは納得する。


「では、僕を指名したのは?優秀な退魔師なら他にも沢山いるのに」

 次にフィーロは自分を指名してまでここに招いたことへの疑問をぶつけた。退魔師の任務は基本ランダムだ。誰がどの現場に派遣されるかはその時に空いているとか、所長が決めることなので、使命されるのは珍しいことだった。


「いやなに、貴殿に会ってみたかったのだ。フィーロ・フィロフェロイ・ストラウス...いや、本来ならフィーロ・フィロフェロイ・フォン・ロードナイトと名乗れた筈の者よ。ヴェドゴニアの巫女姫にしてクリスタリアの聖王が第一子よ」

 静謐を宿した双眸に見つめられフィーロは小さく息を吐く。


「...流石は北の王。僕の事をご存じなんですね」


「貴殿の事は魔族の、特に貴族の間では有名な話だからな。東のヴァンパイア王にして聖王付きの近衛兵隊の元帥、アーノルド・ストラウスと聖王、ナハト・フォン・ロードナイトの子が孤児に身をやつし、退魔師をしていると」

 予想もしなかった話題にフィーロはがりがりと後頭部を掻く。


「その話題、今の事件に関係ないですよね」

 はあ、とフィーロはあからさまに溜息を吐いた。フィーロの出生について、知っている者は少なくはない。だが、その話題を出されるのがフィーロは好きではなかった。出自など関係ない。自分はただ退魔師としての仕事を完遂するだけだ。


 だが、バーレイグはフィーロの言葉に首を左右に振った。

「それが、関係があるのだ」

「どういうことですか?」

「残念ながらまだ犯人は突き止めていない。だが、おおよその検討はついている。此度の事件の首謀者は恐らく...『クドラク』どもだ。」


 『クドラク』。

 その単語を聞いた途端、フィーロとランスは同時に息を飲んだ。


「クドラクって」

「ヴェドゴニヤの貴殿ならよく知っているだろう。何せ、古の時代から奴らとヴェドゴニヤは宿敵として歴史の裏で戦ってきたのでからな。先の大戦の裏で糸を引いていたのも奴等だった。それくらいは知っているな」


 バーレイグの確かめるような問い掛けにフィーロは頷く。

「しかし、奴らはそれこそ、聖王ナハトとレジスタンスが討伐したのでは無かったのですか?僕も師匠からはそう聞いていましたが...」


「生き残りがいた、というのが最近分かってな。奴らは再び戦禍を起こそうと暗躍していると聞く。まだ不確かな情報だが、エマの件で私は確信した」


 バーレイグの口から、その名が出た直後、フィーロは再び姿勢を正して声を落として話を切り出した。


「その、貴方のご息女であるエマ・フォン・ドレイク様について教えて頂きたいのですが」

 真っ直ぐなフィーロの視線を受け、自身も紅茶を一口飲んで唇を湿らせた後、バーレイグはゆっくりと口を開いた。


「暫し長くなるが、構わんか?」

「はい」


「...分かった。では話そう。恐らく、この話が事件解決への糸口になるだろう」

 神妙な面持ちで、バーレイグは語り出す。

 それは、北の工業都市に残る伝承とは少し異なった、一人の乙女と一人の青年の哀しき物語だった。


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