三階

第6話

鳥類に焦がれた哺乳類。


ついに、空に住居空間を作った。


歴史的第一歩として語り続けられるだろう。


そして、身分が確立された。


下の住人には悟られることのないように上下関係を保ち続ける。


二階のない世界。





僕は上級身分である。


しかし同時にその中の最低身分に属する。


そのため、一歩間違えれば一階に突き落とされてしまう危ない身分だ。



上級身分層は効率を重視する。


出来の良い人材を育てるために、両親と子供は一緒に暮らさない。


父と母には昨年の末に会ったきり。


5歳の僕には辛かった。




会いたい。


ずっと思っていた。

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