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 はっと目が覚めた。気持ちはよいが、嫌な予感がする。慌てて目覚まし時計を見る。長針は50に、短針は7にある。急に頭が働きだす。寝坊だ。

 なぜ母親は起こしてくれなかったのか。もう8時の登校時刻には間に合わない。慌てて台所へ行くとそこには誰もいなかった。電気もついていない。それでも朝の登校プロセスを自分史上最大の効率でこなすと、急いで外へ飛び出した。

 学校に着くと恐ろしくしんとしていたが、僕は脇目もふらずに教室まで走った。僕の階段を上る音だけが校舎に響いていた。

 やっと教室に辿り着いて扉を開けると、教室には柳さんしかいない。彼女と顔を見合わせた後、不審さに気づき時計を見た。時計は7時10分頃を指していた。

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